大学受験生の上の子が学校に行かなくなって2週間が過ぎた

毎日、行きたくないとぐずる子の話を聞いている、つもりだった


私「どうして行きたくないの?授業の出欠席日数は足りるの?先生に相談する?」


子「そんなにせめないでよ!」


つい矢継ぎ早に質問してしまう

これでは話をきくことができない

ゆっくり深呼吸してから、


私「何でも話して、きくから」


子「イヤ、もう何もかもイヤ、死にたい、死にたい、死にたい!もう出てって!布団で死にたい!」


私「話したいから、出て行かない」


子「もうイヤなんだよ!何もかも!パパもママも仲悪いし!さっさと別れたらいいのに!」


私「そうしたいけどそうも行かないから、今は仕方ないのよ…」


子「家族ごっこしても意味ないでしょ、お互い嫌ってるんだから」


私「私は2人の子を嫌ってないよ

  パパの事は、もう少し何とかしていこかと思 ってる」


子「3年もしないうちにママ耐えられずに死ぬと思うけどね!私も耐えられないよ!気を使いすぎて死ぬよ!アイツのエコヒイキも大嫌い!」


私だけでなく子の心も疲れ切っている

夫が帰ってくる週末は、子と私は息を潜めて自室に閉じこもるような生活をしているからだろう

機嫌が悪くなった夫は、家族への暴言と威嚇をはじめるからその機会を与えないようにしている

食事時の気の使い方は、私も異常だと思う

夫のことを気にしてないような自然な会話を、私も子もフワッとしている

自然に会話に入ってきた夫にも会話をふる

機嫌が良くなった夫は、成績が良い上の子には

「子ーこちゃま〜大丈夫ぅ〜?」と甘えた声で話しかける


成績の思わしくない下の子には

「はぁ、お前も食べる?」

と明らかに差別して接している

上の子はこのことをエコヒイキだと言う

その通りだ

そんな夫の人間性が露呈したのは子が産まれてからだ

それまではある程度いい人だと思っていた

本当は正直に言うと、ほんの少し夫から感じる違和感はあった

うん?っとノートのページが思うように開かないような違和感 

些細だけど、しっかりとそこにシワが残っている

そんな時私は、そっと目を背けて私にはもったいないほどの人だと思うようにしていた

仕事はできる人だと思っていたから、そう思おうとした

その方が楽だったし、そう信じていたかった

都合の良い解釈をして、自分を納得させようとした私に、その少しずつずれていった矢がブーメランのように戻ってきて、再び私を射ろうとしている

痛みを感じなさい、ちゃんと認めなさいと言われている

もういっそ降参して、思い切りその矢に射られてしまいたい


そして懺悔したい


それは、自分の人生を他人に委ねて生きていたこと


自分の人生はこれだと選んだふりをしていた事を


認めた方がいいのだろう


若い頃、うまくいかない人生と夢も何も見たくなくなって、自分の生き方を他人を支える事で成り立たせようとした

誰かと幸せを分け合って私も幸せになれる方が楽だと思ってしまった

自分の夢やしたい事の心の声に蓋をして、自分の人生を諦めていた


夫に「うまくいってないことを俺のせいにするな」

と言われた時、図星だった


私が好きに生きていると思っていたかっただけ


だからか、子には好きに生きなさいと言ってしまう


それがプレッシャーになっていたら申し訳ない


何もしたくない

死にたい

そう言われたら、

私もと言ってしまいそう

子と一緒に死んでしまいたくなる

毎朝の学校行かないと言われるストレスを、夫には昨晩スマホで伝えた


夫「理由は?大学行かないなら働いてもらうからと子に伝えて」


私「理由はわからないし、選択的に考えているわけではない

子が大学行かないから働きたいといってるのではないよ

生きていたくない、何もしたくないと無気力になっているんだよ」


夫「病院に連れて行けばいいと思いますか?」


私「専門家に話を聞いてもらうことはいいと思います」


夫「そうしてください」


何もかも私に丸投げなのはこの20年変わらない


夫「俺は絶対仕事が抜けられない」


私「…分かった」


ずっと夫と家族の間には大きな溝があった

仕事を頑張ってくれてる事はありがたいから、それ以上求めてはいけないと思っていた

本当は助けて欲しい事がたくさんあったけど、死に物狂いで自分でやった

支えてもらいたくても頼れない

その事にも目を逸らしてきた

今回も相談しても頼れない

もう疲れた

私も子も


朝のやりとりを聞いていた下の子が


下の子「オレは死にたくない、永遠に生きていたい」


私と上の子は、思わず大笑いした


一番辛い目にあっていると思っていた子が、永遠に生きていたい?

私も上の子も、いつも下の子の明るさに救われる


上の子「バカなの?死ぬのは決まってるよ」


下の子「そこを何とかできる時代が来るかもよ」


私「生きて何したいの?」


下の子「何でもしたい!ユーチューバーにもなりたいし、北海道にも行きたい!いくらも食べたい!」


こんなに両極端に子って育つものなのか


下の子「学校行ってきまーす」


私と上の子「いってらっしゃい」


しばらくして上の子も学校に行く準備を始めた


上の子「体育の授業でないとやばいかも」


良かった、今日は学校に行けそうだ