暑さで脳がバグるから、ケイくんからのLINEにすぐには気づかなかった


そういえば仲良くしていた時に本を貸していたんだったと、返却のお願いをしていたんだった

もう半年経つから返してと言いづらくなっていたけど、貸した本が娘のものだからこのままという訳にもいかなかった


ケイくんLINE

「出来るだけ早く返します」


良かった覚えてくれていた

どんな本を読むのかと、おすすめの本について楽しく話していたあの頃が懐かしい

つい目元が緩む


私LINE

「ありがとうございます」


ケイくんにLINEの返信をしても半日は既読はつかない

何なら一日経つこともある

はじめはどうしてかと思っていたが、既読をつけてしまうと返信を早くしないといけないからだということらしい


それがLINEのマナーのような相手への心遣いだと知った時、色んなコミュニケーションの方法があるのだと納得した


だから既読がつかなくても、返信が遅くてもそれは相手が考える時間が必要な時なんだと分かった


単純に面倒くさいからかもしれないけど、相手の気持ちは全部分からなくてもいい


表面上でも気遣いができるならした方がいい、お互い大人なんだし


LINEで話せて嬉しい

単細胞な私は素直に嬉しくなってしまう

今までのLINEの履歴をライトノベルのように読んでいた


初めて映画に行った時みたいに、一緒にご飯とか食べたいなー


すぐ調子にのってそんな事を考えてしまう自分に気づいて、ハッとした


私、夫とは

一緒に何かしたいって思えなくなっている


何なら一緒に同じ空間にいることすら無理だとこの間も思った


それは、息子の成績でやりたい部活動のある学校の数がものすごく少ないことを夫に話した時のこと


夫「こんなことなら2人目いらなかった」


私「えっ⁈そんな事を息子に言わないでよ!」


夫「言う訳ないだろう!」


私「(もう本当に無理)話したくない」


話したくないと本当に思って、その事をちゃんと言えたと、ほっとした

その話はそこで終わったが、夫への嫌悪が私の心を苦しめている

嫌悪する事で自分が苦しい

嫌な人と一緒にいる事が苦しいのだけど、嫌いだという感情を持ってしまった罪悪感を感じている


息子の成績を少しでも上げたいと塾や学校説明会や調べ物は私がしている

夫はすぐ息子を殴るから、出来るだけ成績の話をしないでいたのだが受験となれば言うしかなかった

それなのに、息子の存在を否定した

命がけで産んで育てているのに

その私にそんな事を言う

本当に人間でないと思う

人でなし

そんな人でなしとこの先死ぬまで一緒にいたくない

成績が悪くて行きたい高校を選べないような人間を家族と思いたくないのだろう

私と子供達を等分に愛していると昨晩も急に言ってきたが、心の中で嘘つき!と叫んでいた

偽物の愛でもあるだけましかと思っていたけと、偽物だから愛じゃない

ただの執着だろう

便利な家政婦を逃したくないだけ

もう何年もレスな事がここで心を救われる事になるとは思ってなかった

身体まで求められたら私は死んでしまう

本当に私を愛していないくせに、口だけでなんとかしようとするのが気持ち悪い

息子の存在を否定する夫が気持ち悪い

吐き気がしてきた

もう無理になってしまった

いつのまに気持ちがこんなにすれ違ってしまったのだろか

お互い全く違う遠くを見ているようだ

同じ未来を見ていない


あーいつ逃げようか

いつこの世からおさらばしようか

また絶望感が黒い煙のように足元から上がってくる


死ぬくらいなら逃げろと他人事なら言える


身軽に何も持たず逃げたい

それとも持てるものは全て持って逃げるのか?

また格安不動産サイトで独身時代の貯金で買える家を探そうとしてしまう

ちゃんと離婚することも面倒くさい

お互い相手が死なないかと、思っているのかもしれない