今日、インストラクターのバイト先に制服を返しに行った。


最終勤務日から3日目。


車で元職場に向かう途中、足元がふらふらしているおじいちゃんが歩いて行くのが見えた。

おじいちゃん大丈夫?つまづかないように頑張って!

以前より、お年寄りの人が目に止まる。

お年寄りの方の生活や体調を少し知っただけだけど、色んな人がそれぞれの人生を生きてるって実感したからかもしれない。

心の中でおじいちゃんにエールを送りながら、通り過ぎた。


元職場には、業務が終わりかけで利用者様が帰られた後の時間に訪ねた。

最終日に会えなかったスタッフさんにも退職のあいさつができた。

持って行った畳まれた制服を見て、


スタッフ「綺麗ー!」


ニコニコしながら受け取ってくれた。

最後まで本当に優しい。


新しいスタッフ

「一度もご一緒できなかったけどお元気でね。」


新しいスタッフさんが入ってくれていてほっとした。


もうここは私の居場所ではない。


それで良かったんだ。

温かい職場を後にした。


誰にでも優しく接する事が、私の長所だと思っていたし、人のためになる仕事をしたいとも思っていた。

だけど、少しの怪我で寝たきりになってしまうかもしれないと思うと、気が張って怖くて仕事を続けられなかった。

人の人生のサイクルを変えてしまうかもしれない仕事は、私には無理だとわかった。

無理すればできる仕事だったとは思うけど、無理していたらやっぱり続けられなくなるんだよね。

ここまではできる、ここからはできないという微妙なラインが分かった事がこの仕事をして1番大きな学びだった。

自分を知るって本当に難しい。

人生は実験の繰り返しだという言葉を思い出した。

ラルフなんとかさんだったかな。

実験はたくさんした方が実りがあるとか。

その分傷つく事もあるけど、見えるものが変わるから、やっぱり色んな事をするのって面白い。

さあ、これからどうしよう。

洗車バイトは続けるとして、インストラクターやジムで働く事にも興味がある。

何か資格の勉強もいいかもしれない。

インストラクターの資格は確か民間の資格があったはず。

好きな事をもう少し勉強して、より好きになっていこうと思う。

そうして働き方を考えていこう。

バイトのシフトを増やしてもいいし、新たにバイトを今回のように増やしてもいい。

バイトを辞めて他の仕事に就いたっていい。

資格をとってその資格に合った仕事を探してもいい。

選択肢は多いほどいい。

もう50歳前だから、雇ってもらえなかったら、どんな仕事でもやればいい。

無理しない範囲で。

屋台引いて商売してもいい。

石焼き芋屋さんとか。

確か以前募集していた。

その時に自分でやっても出来そうな仕事だと思った。

石焼き芋屋さんかー

渋滞の中で夕焼け雲を眺めながら考えた。

冬は焼き芋、夏はアイスクリームを売るのも楽しいかも。

材料や車などの諸経費を引くと、お小遣い稼ぎくらいにしかならないかもしれないが、具体的に考えてみよう。

そうやって、子供が巣立つその時までに、自活できる準備をしよう。

それがこの数年先の目標だから、それまで少しずつ色んな事を勉強しよう。

新たな勇気が湧いてきた。