洗車バイトのシフトに入った日、なぜが更に最近冷たい態度の長明くんとケイくんに、私はほとほとウンザリしていた。
私の事はほとんど無視。
仕事に関係する話のみだがそっけない。
はぁ、何なのこれ。
話しかけようとしても、ケイくんは背中でガードしてきて話に混ぜてくれない。
さすが元サッカー部、身体でガッチリガードしてくる。
そんな馬鹿なツッコミを心の中で入れつつ、たまるストレスに眩暈がする。
どうもこの2人には嫌われたようだ。
もう恋とかそんな感じではない。
嫌いなおばさんだと思われてるんだろな。
これからは、別に2人に気を使わなくて良くなったんだ思う事にしようか。
人に嫌われたんなら仕方ない。
嫌われたら勝ちとかいう言葉を思い出した。アドラー心理学だったかな。
嫌いだというその感情は彼らのものだから、私がどうにかできるものではない。
ただ心当たりと言えば、先週何か面白い事言わなきゃと空回りして、人気アニメのネタバレを思わずしてしまった。
その事くらいしか嫌われる理由は思いつかない。
まぁそれは嫌われても仕方ないか。
本当にすみません。
もう2人とシフト一緒にならないよう気をつけよう。
こんな嫌な気持ちで仕事したくない。
普通に同僚から受けるハラスメントかもしれないけど、私の考えすぎかもしれない。
ふと、前職の上司を思い出しそうになった。
というか思い出してしまった。
不機嫌な態度で人を萎縮させて、コントロールしようとするタイプの人だったっけ。
怖そうな人にはしないやつ。
優しい感じの人に少しずつ嫌な態度で接してきて、どのくらい嫌なことしてもいいか試しているんだろうな。
そんなつもりはないのかもしれないけど、じゃあどんなつもりでその態度なのかと、元上司にも2人にも問いたい。
けど面倒くさいから問わない。
こういう大人のいじめかどうか微妙なラインが1番タチが悪い。
だからといってその度に仕事を辞めるわけにもいかないし。
シャワーで車の泡を洗い流しながら、孤独を感じている自分が嫌になる。
やっぱり2人と一緒になりそうなシフトは減らしていこう。
嫌われようとした過去の作戦は、今頃になって大成功だよと、過去の馬鹿な私にエールを送った。