私は高校も大学も受験して入ったわけではない。
高校は推薦入学だった。
希望の高校は親の反対で入れなかった。
反対される理由は仲の悪い叔父と同じ高校だと言う変なものだったが、親の機嫌を損ねて生活したくなかった。
そんな親とは離れて暮らす方がいいと、早めにわかって良かった。
大学は、社会人になってから入った。
高校の成績表の提出だけで入試はない。
通信制の大学だったから。
仕事もしながら勉強した。
何とか卒業までできたけど、普通の楽しいキャンパスライフでなく、ただひたすら勉強をしていた。それでもどんどん自分の世界が広がって、楽しかった。
学位が自信になった。
勉強の楽しさを息子にも伝えたい。
努力を努力と思っていないところがママのいいところだよと、娘が言ってくれた。
努力を苦痛だとかマイナスの事だと思わない事だけしているから、そう思われるんだと思う。
苦痛な努力は私も苦手。
続ける事ができない事は、やれるだけの事をやれば良いくらいの気持ちでやってみた。
どうしても無理なら手放すし、できそうなら続ける。
続けている事だけ周りから見えるから、そう思われるんだと思う。
挫折も失敗も後悔もてんこ盛りあるけど、成功した時の嬉しさを格別にしてくれるから、どちらも大切。
夫との関係は子供の成績のこともあるけど、根本的なところで私達は認め合えていないだと思う。
夫は私と家族を愛していると言うけど、気持ちや心を大切にできない。
俺を大切にしてほしいと思っている。
俺を愛してほしいって思ってる。
私は子供を愛しているから気持ちに寄り添いたいし大切にできる。
夫の事を尊敬していた気持ちを、愛だと思っていた。
俺が俺がと言う夫にうんざりする。
わがままな大きな子供のような夫を、パートナーだと思えない。
私は、お互い尊敬し合って大切にしていれば、愛になるのだと思っていた。
まず夫を強く愛して結婚したわけでない私に、根本的な問題がある。
夫は私が大好きで愛していると言う。
女神のように私を扱う日もあれば、奴隷のように扱う日もある。
夫が結婚当初同僚から言われた言葉を思い出した。
夫「俺と結婚してくれる人は、天使か悪魔のどちらかだと言われたよ。きっと君は天使だね。」
天使でも悪魔でもない。
今はただのゾンビだよ。
ケイくんを強く求めてしまいそうになったから、私は私がどんな人か分かった。
私は、愛とか好きな気持ちがちゃんとないと結婚なんてしたらダメだったんだ。
ちゃんと愛しているのは、子供達と多分ケイくんだけだと思う。
人類で1番好きだと一瞬でも思えた気持ちが、これからの私を支えてくれる。
恋が成就しなくても、好きな気持ちがちゃんと持てた事が私にとって奇跡だ。
息子が独り立ちするまで、後3年か7年はゾンビかもしれないけど、その後は成仏してもいいよね。
結婚が墓場で、ゾンビとして生活するなんてホラーだけど、愛が足りないからそうなったのかもね。
もっと愛があれば、薔薇色の結婚生活だったのかも?
少しだけかもしれないけど、愛はある。
子供は希望で愛で、私の魂だからそこだけは薔薇色のゾンビ。
私の懺悔は、愛と尊敬を履き違えた事で、そんなに好きでもないのに結婚した事。
こんなものかと斜に構えた人生感に、今ガツンと殴られている。
甘えていたのは私も同じだ。
はじめはお姫様扱いされて浮かれてしまった。
その後シンデレラの召使い時代のような扱いをされるとは夢にも思っていなかった。
逆シンデレラでその後はゾンビ。
王子様は25歳も年下の手の届かない次元に生きている。
おとぎ話でホラーで恋愛SFで、これからどんな人生になるか分からないけど、だから人生は面白いって死ぬ時に思えるように生きていきたい。
死にたがるし、ゾンビだし、中年だけど、心は自由で乙女で年はとらないから。
死ぬまでにしたい事もほんとはしなくてもいい事だけど、生きる理由が欲しいだけ。
私が生きる理由を欲している事を、夫は知らないから富士登山も車もペットも帰省も否定してくるの?
それとも願いが叶うと私が消えてしまうと思ってる?
結局みんな死んでいなくなるんだから、叶えられる願い事は叶えておきたいだけなんだけどね。
そしたらゾンビも成就して、本当の天使になれるかもしれない。
それとも地獄で悪魔になるかも。