「結婚するまでに何人の人と付き合ったんですか?」


禁断の質問をケイくんからされた日。

私の恋心は砕け散った。

悲しくて嫌な気持ち。

若い頃のモテ自慢をするつもりはなかったのだが、結果的にモテていたかもしれない話しでの流れからの質問だった。


私「何人だろう、分からないなー」


ケイくん「多いんですねー」


普通にセクハラ案件かもよと、怒りそうになった。


私「多分11人かな、3日で別れた人も含めてね!」


マウントしてしまった。

ケイくんは、誰とも付き合った事ないって言ってたのに。


ケイくん「少ないんですね!」


お互い明るく会話してしているはずなのに、心がバキバキと音を立てて砕かれていく。

涙が出そうになった。

ケイくんも傷ついていると分かった。

顔色がサァーと変わった。

私もきっと変わっていたと思う。

お互い悲しくなる会話。

こんなに苦しい会話は初めてだった。

11人と付き合ったのは少し嘘。

本当は9人だ。

余計な見栄を張ったのは、意地悪な気持ちで言ったからだろう。

潔癖な所のある私は、付き合った人と肉体関係はほとんどない。

それでもそんなに多くの人と付き合ったと聞いたら、色んな事を想像するだろう。


ケイくん「僕4時から用事があるので帰ります。週末また一緒ですかね。またよろしくお願いします!」


スキップでもしそうなほど、ものすごく不自然な明るさでケイくんが帰って行った。

朝からそんな事言ってなかったのに、急に帰ってしまった。

多分居心地が悪いからだと思う。

バカな事言ってしまった。

本当にバカ。

後3日でバレンタインだったのに。

バレンタインチョコレートをあげる約束していたのにな。

予め用意しておいたチョコレート、どうしよう。