4時間ほどひろ子ちゃんと話して、お互い話したかった事をだいたいは話し終えた。
ケイくんの事以外は。
ひろ子ちゃんは、仕事のシステムやコロナ禍が落ち着いてきて忙しくなった事など話してくれた。
ひろ子ちゃんの趣味は色々あるけど、やっぱり将棋の棋士の応援が1番見ていてすごいと思う。
推しの棋士が名人戦に出るとなれば、その会場となるホテルで行われるパーティーに応募して参加する。
しかし、恥ずかしがり屋のひろ子ちゃんは、棋士に話しかける事はしない。
遠くで見つめるだけでいいようだ。
遠くで見つめるだけでいいと思えるなんて、恋みたいで聞いていて少し照れる事はまだ言っていない。
私もケイくんを見つめるだけで満足できるように、心がけ?できたらとも思う。
私「そういえばね…実は…ケイくんって子の事、結構好きになってるんだ…」
ひろ子「大学生のだよね?」
私「そう、恋愛小説に出てくるセリフが時々出てくる子。」
とうとう、ひろ子ちゃんに言ってしまった。
ひろ子「不倫か〜。」
私「付き合ってないし!気持ちは伝える事もないから…だって母親世代だし、キモいって思われたら死んじゃうよ…」
ひろ子「まぁそうだよねってしか言えないなー。どんな子かよく分からないしね。」
私「私もケイくんのことがどんな子か分からないから、気になるんだと思う。懐かしいのに、今まで身近にいなかったタイプで…だから余計気になるのかも。」
ひろ子「そうかーお友達ならいいと思うけど、夫さんものすごいヤキモチ焼きだよね。」
私「浮気したら、私も相手も必ず殺すって言われてる。」
そう結婚当初から、そう言われてる。
結婚していたら、他に好きな人ができたらどうしたらいいの?
思うだけでは苦しくなっている私がそこに居た。