「大変でしたねー!」

上司の吉田さんが明るく声をかけてくれて、ハッとした。

バイト中だった!


私「そうなんですよー、困っちゃいますね。」


ハハっと明るく笑いながら、さっきまでの萎れた心を忘れようとした。


私「ちょっと水飲んできますね!」

タタッと小走りに裏に行き、マイボトルから水を飲んだ。


枯れないで


萎れないで


泣かないで


自分で自分を元気づける


ずっと続けてきた


負けないで


悲しまないで


そう呪文のように心で唱えながら、水を飲んだ。


吉田さん「はいこれ。」


振り返ると吉田さんが右手をグーのまま、近づける。

何だろうと手を出すと、そこには百円玉と十円玉。


吉田さん「お水すぐなくなるでしょ。飲み物でも飲んで。」


私「えっいいんですか?」


吉田さん「他のバイトさんにもあげてるから。」

ニコニコ優しい。


私「ありがとうございます!」


その心遣いが嬉しくて、元気が出た。


私って本当に単純だ。


呆れるほど。