バイト先には、同じ大学の学生が何人かいた。
みんな友達だったり、後輩だったりと繋がりがある。
そんな人間関係の中での失言に、反省した。
「ケイは、言い回しが恋愛小説なんですよー」
そう話したのは、大柄でおっとりした感じのMr.くんだ。雑学が豊富で頭の回転が早く、話していて面白い。実はフウくんと話す前にMr.にも話していたのだ。(デリカシーなくてすみません)
「恋愛小説みたいな事が、普通だとないって分かってないんですよ。ないから(みんな)小説で楽しんでるんですよね。」
その現実的な話にそうだねと相槌を打ちつつ、Mr.も恋愛小説みたいな事に少し憧れもあるようにも思えた。
恋愛小説で楽しめる事は、あくまでも読み側の想像の範囲内で、実践は想像よりもかなり刺激的だ。
悲しみはより深く、喜びはより…
いつもそんなに好きでもないのに、断れないで何となく恋愛関係になっていた私には、高度な恋愛は無理だ。
結婚もほぼ押し切られてした。
夫とは、ちょっと付き合ってどんな人か知ろうかな位に思っていた。でも付き合って1ヶ月で、他にもそんな感じで付き合っている人がいると話した。ちょっと束縛が強いかなと思いだしていたから。
そしたら、
「こんなに君を好きにさせておいて、今頃そんな事を言うなんて!嫌いになんてなれない。他は別れて!今すぐに電話して!君が俺の事を好きな気持ちよりも、俺の方がずっと君が好きだから結婚して!」
怒られて怖い気持ちと、こんなに私が好きなのかいう気持ちになった。
他にこんなに私を好きになってくれる人は、この先現れるのかと、その時思ってしまった。
頭の中がお花畑にもなっていたのだと思う。
束縛の強さはやはり苦しいと思う事が多かった。友人との関係をほぼ全て切らされた。理由は、過去の恋愛について知っている人と交流を持って欲しくないから。
夫は、今で言うところのモラハラなんだと思う。
仕事も、結婚すると不倫をしたい男達が近づいてくるという理由で、しばらくして辞めた。
すぐ辞めなかったのは、抵抗したかったから。
しかし、中国地方から青森への転勤話になり辞めることになった。
まぁ、交際中に他にも付き合っている人がいるなんて聞いたら不安だろうとも思う。でも、結婚前は自由恋愛期間なんだよと口に出しそうになったがやめた。
恋愛についての価値観は人それぞれ。
だから、恋に落ちたという感じで結婚したわけではない。罠にかかったような罠にかかりに行ったような、縛り縛られる関係になりに行ったのだ。
結婚という呪縛に。
恋愛とはまた違う安心感が欲しかった。
強い絆のような関係を持つことが、お互い縛り合う事と勘違いしていた。そして勘違いに気がつく時が来る。