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森で考えて、森を知る

森林に関する資格を取得するための勉強法などを少しずつ書き出してゆきます。

しかし長伐期で大径材があるだけでは家は経ちません。
施主が建てやすい条件整備と、通常の建売と比較すると割高にもかかわらず建てたいという希望が必要です。

前者が条例(「金山町街並み景観条例」)に基づき町が設ける助成金制度、後者については住民が助成金の存在を認知しており条例に対して一定の効果を認めてその景観に調和する住宅を希望するという点です。

また技術向上のための取り組みや設計者、施工者を巻き込んだ「金山型住宅」という目標を共有していることも挙げられるでしょう。

注意していただきたいのはこの節のために日本の森林資源と林業を概説しているということです。金山町のような事例は多くはないかもしれませんが探せば他にもみつかるかもしれません。

大切なのはこのような事例を要(かなめ)にしてこれまでの記述を読み直せば頭に入りやすいという点にあります。


テンペルホーフ代表 堀 康典
URL:
http://tempelhof.jp/mail:tmp@tempelhof.jp

前回の東濃地方は製材所がある町を中心に生産、加工、流通までが結びついていることが特徴でした。
山形県の金山町は加えて消費まで結びつけます。つまり「地産地消」です。

地産地消について昨今その重要性が指摘されています。
その理由として①商品の移動に伴なうエネルギーの浪費(梱包なども含む)を防ぎ自然環境保全に資する、②地域経済発展に役立つことがあげられます。

金山町の山林の林齢構成は先に述べた全国民有林が7-9齡級が多いのに比べ、16齡級に顕著なピークがあります。つまり長伐期大径材生産ということです。
例えば3寸角の柱をとるなら胸高直径12-14cmの材を育てれば背板の発生は最小限で済みますが、広い板をとろうとすると大抵芯材を含んでしまうので割れやすい製品になります。

ところが伐期がながい(つまり目がつんだ)大径材であれば「つぶし」がきいて様々な規格の柱や板をとることができます。
家1軒を建てるのに柱だけでは家になりません。製品の多様性が地産地消の鍵になります。


テンペルホーフ代表 堀 康典
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出ました、「東濃桧(とうのうひのき)」です。
さきの吉野、北山ほど名を知られていませんがいわば現代銘柄化進行中といった感じでしょう。
吉野、北山が伝統的施業と製品から、昨今の厳しい需要にあわせてどのような方向転換をしたのか頭に入れてください。

東濃桧は1960年代に市場で認知され、木曽ヒノキに近い素材の性質をもっていると言われています。長野県の木曽地方と生育条件が似ているのかもしれません。

東濃地方は後発の産地といっても室町時代からの桧の産地という記述があります(http://bit.ly/19kpLQU)が、産地形成論の立場から研究対象とされている地域でもあります。

製材工場がある地域を中心に木材の生産、加工、流通の担い手を結びつける仕組みが作られていることが特徴とされています。

この流れで次節は山形県の金山町の事例につながっていきます。


テンペルホーフ代表 堀 康典
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http://tempelhof.jp/mail:tmp@tempelhof.jp