前回アメリカにおいて80年ごとに大きな出来事が起こっているというジョージ・フリードマンの仮説を紹介しました。

 

私がこの説を真面目に考えるようになったのは、この80年周期はアメリカだけではなくヨーロッパや日本にも当てはまるのではないかと考えるようになったからでした。

 

今回はヨーロッパについて書いてみたいと思います。

 

起点が1945年の第2次大戦が終了した年になるのはアメリカと同じです。1945年から遡ること80年の1865年はアメリカで南北戦争が終わった年ですが、この時ヨーロッパにおいてはちょうどドイツの統一が進行中でした。

 

1867年は日本で大政奉還が行われて江戸時代が終わった年ですが、ヨーロッパではプロイセンとオーストリアの戦争があった年でこの戦いでプロイセンが勝利して北ドイツ連邦が誕生しました。(この時点では南部のバイエルンなどはまだドイツには加わっていませんでした。)

 

そして1870−1871年の独仏戦争(従来は普仏戦争と呼ばれていた)でドイツ側が勝利したことでドイツの統一が可能となったのでした。

 

ドイツの前身は神聖ローマ帝国ですが、1618年から始まったいわゆる30年戦争でその帝国は有名無実化してしまい、まとまりを欠いた状態が続いていました。1789年にフランス革命が起こり、ナポレオンの戦争が終わった後のウイーン体制でもドイツの統一は認められなかったのです。

 

だからビスマルクが1871年にドイツを統一できたことは画期的であり、この時からヨーロッパ大陸の中心がフランスからドイツに代わるようになるのでした。

 

ではドイツが統一した1871年から80年前はヨーロッパで何が起こっていたかというと、先程触れたように1789年からフランス革命が始まるのです。

 

この革命によって、ヨーロッパ大陸で最初の近代国家が生まれたのです。

 

だから厳密に80年きっかりというわけではありませんが、ヨーロッパ大陸においてもフランス革命、ドイツ統一、第2次大戦と80年ごとに重大な事件が起きて現在に至るわけです。

 

1945年から80年後は2025年でちょうど後3年弱ぐらいしかないわけですが、ヨーロッパにおいても何か重大なことが起きるのではないかと考えている時に今回のウクライナ戦争が起こりました。

 

もしこの戦争がフランス革命やドイツ統一、第2次大戦に匹敵するようなものに発展するとすれば、ややこしいことになるかもしれないという一抹の恐怖感が私にはあるわけです。