以前にも書いたことがある項目ですが、もう一度丁寧に書いてみました。

 

アメリカのジョージ・フリードマンはその著書『静けさの前の嵐』の中でアメリカ史において80年ごとに起こる重大な出来事を「制度的変化(Institutional Change)」と名付けています。

 

第2次世界大戦が終わった年である1945年を起点としてそれから80年前は1865年となり、この年は1861年から始まった南北戦争が北部の勝利で終わったことでアメリカの分裂をどうにか防ぐことになりました。

 

南北戦争が終わった1865年からさらに80年さかのぼれば1785年となり、ちょうどこの時期は1775年から始まったアメリカのイギリスからの独立戦争が1783年のパリ条約で終わったばかりの時代に当たります。

 

このように80年ごとにアメリカで重要な政治的な変化が起きたことからフリードマンは、1945年から80年が経過する2025年ぐらいにアメリカで次の重大な変化が起こるのではないかと予測するのです。

 

私はフリードマンのこの本を読んで、この80年周期説は日本やヨーロッパにも当てはまるのではないかと考えました。

 

アメリカで南北戦争が終わった年である1865年は日本ではちょうど明治維新が続行中で1867年に徳川慶喜が大政奉還を行い二百数十年続いた江戸が終わり、翌年の1868年から明治時代が始まります。

 

一方この時代にヨーロッパに目を転じれば、南北戦争が終わった1865年から5年後、日本の大政奉還から3年後にあたる1870年に独仏戦争(以前は普仏戦争と呼ばれていた)が行われてビスマルク率いるドイツがナポレオン3世のフランスを破るという衝撃的な出来事が起こりました。

 

この戦争によってそれまでバラバラだったドイツが統一を果たしたことによってヨーロッパ大陸でそれまで優越的な地位を保ってきたフランスの立場が決定的に損なわれるのでした。

 

1945年に日本とアメリカとヨーロッパで同時に重大な政治的な変化が起きたことを理解することはそんなに難しいことではありません。

 

なぜならば、大日本帝国が1941年にアメリカの真珠湾を攻撃し、条約上全く必要がないのにも関わらずヒトラーがアメリカに宣戦布告を行った結果の出来事だったからです。

 

しかし、第2次世界大戦終結から80年前の1865年近辺においてアメリカの南北戦争、日本における明治維新、そしてドイツ統一がほぼ同時に起きているのは、本当に不思議です。

 

さてジョージ・フリードマンは1865年から80年さかのぼる1785年近辺ではアメリカで独立戦争が行われていた時代だと指摘していたのですが、この時代にヨーロッパに目を転じれば、あの有名なフランス革命が1789年のバスチーユ牢獄の襲撃から始まるのです。

 

この時代の日本は何をやっていたかというと、フランス革命を解説する日本語の本には必ず書いてあることですが、フランス革命が始まった1789年は日本では寛政元年に当たります。つまりこの時期は1787年から1793年にかけて行われた老中松平定信による寛政の改革期に当たるのです。

 

1945年から80年前の1865年前後に起きた南北戦争、明治維新、ドイツ統一の組み合わせもかなり強烈でしたが、1865年から80年を引いた1785年前後にもアメリカの独立戦争、フランス革命、寛政の改革というかなり大きな政治的出来事が日米欧で行われていたのです。

 

さらに日本の場合、寛政元年(1789年)と享保元年(1716年)の差が73年で、享保の改革までさかのぼれるのですが、アメリカとかではこれ以上無理なのでやめときます。いずれにしろ80年ごとに重大な政治的変化が起きているのは日本もアメリカもヨーロッパ(フランス)も同じなのです。

 

だいたい80年間隔で次のように書けるのです。

 

米国 独立戦争ー南北戦争ー第2次世界大戦ー2025

 

フランス フランス革命ー独仏戦争ー第2次世界大戦−2025

 

日本 寛政の改革ー明治維新ー第2次世界大戦−2025

 

果たして、2025年近辺でどのような世界が私たちを待っているのでしょうか?