以前、エマニュエル・トッドの本を読んでいた時に、彼が日本の明治維新について下級武士が活躍したことを指摘して、それはフランス革命と同じように「中産階級」による革命だったのではないかと書いていました。
私はこのことがずっと気になっていて、フランス革命の本を数冊読んでトッドの言うことを少し理解できたのでここに書いてみたいと思います。
フランス革命は日本の明治維新からおよそ80年前に起こった出来事でちょうど日本では徳川11代将軍家斉の時代で老中松平定信が寛政の改革を始めていたころでフランスで革命が勃発した1789年は寛政元年にあたります。
当時のフランスは数々の対外戦争を行っており、特にイギリスとの間で行われた7年戦争により財政が悪化し、時の宰相であるルイ16世は財政の問題を討議させようと休眠中だった三部会を開催させるのです。
第一身分は当時フランスの国教であったカトリックの聖職者の代表が選ばれ、第2身分は貴族の代表が選ばれており、フランス革命をリードしていく第3身分は平民を代表しているということは高校の世界史の教科書で習いました。
では実際に第3身分において、どのような人たちが選ばれていたのかが、ジェレミー・ポプキンという人が書いた”New World Begins”という本に載っていたので引用してみます。
まず前段では、「第3身分に選ばれた600人の議員のうち圧倒的多数は法律のトレーニングを受けた者たちだった。218人は判事や下級判事を務めており、他の181人は自分たちを弁護士と認識していた。」と書いています。
ここだけを読めば日本とは全然違うのではないかと思ってしまいます。ところが、後段では次のように興味深い記述に出会うのです。
「ほとんどの第3身分の議員たちは、権力を持たない市民の中で圧倒的な割合を占める農民や職人、労働者達よりも豊かであった。そして、そのうち多数の者はぎりぎりで貴族と呼べる階級や貴族と近しい関係を持つ人々達であった。」
つまりフランス革命を起こした人々の社会的地位は下級の貴族出身が多く、それは明治維新で下級武士が活躍したのとほとんど同じ現象なのでした。
続く
