前回はペリーの黒船とマッカーサーの日本占領について書いてみたのですが、この2つの出来事を比較して言えることは1、どちらも日本の都合は全く無視されてアメリカの一方的な言い分を強引に押し付けられたということと2、その結果、一方では江戸幕府から明治憲法体制へ、もう一方では明治憲法から平和憲法へという根本的な体制の変換が行われたということを指摘できるのではないかと思います。

 

そして日本にも80年周期で変わる国体的変化の波が存在するならば、次の日本は一体どのような体制になっているのでしょうか?

 

現在の日米関係において、アメリカが一方的な都合から日本の体制を簡単にひっくり返せるような政策はどのようなものかと考えれば、答えは一つしか出ず、それはアメリカによる日米安保の破棄ではないかと私は思うのです。

 

アメリカによる安保破棄で日本の憲法改正が初めて可能になるのではないか、つまり現在の安倍政権の憲法改正は絶対に不可能ということを数年前から考えるようになった時に出会ったのがジョージ・フリードマンが書いた『日本の例外主義』というエッセイだったのです。

 

このエッセイで彼は「日本の注目すべき点はそれまでとの態度をがらりと変えてしまう点にある。1945年にそれは起き、あらゆる分野で徹底していた。しかしそれは初めてのことではなかったのである。1850年代にアメリカとヨーロッパが日本を調べ始めた時、日本にはそれに贖う術がなかった。」と明治維新や敗戦の時代に日本の体制がアメリカの外圧によって根本的に変化したことを指摘しています。

 

そして彼は次に起こる日本の変化をこう予想しているのです。

 

「アメリカの利益が変化したり、日和ったり、また敵対的になれば日本は後悔しながらもその進路を変えるだろう。それは工業化以来の国家の統一性を保ったままの変化になるであろう。」

 

私はこの結論を読んだ時に、アメリカが日米安保を破棄してようやく日本が自律的な国家に生まれ変わるという意味にしかとれませんでした。

 

ここに全訳を載せていますので興味のある人は読んでみてください。https://ameblo.jp/mintelligence/entry-12291124118.html

 

だから今回のフリードマンの新刊で彼の結論がこれからもアメリカ帝国を続けていくことにになっていることに私は全く納得できなかったのです。

 

続く。