さてフリードマンが指摘したアメリカを支配する2つの波が交錯する2020年から2030年にかけてどのような新しいアメリカが現れてくるのかを期待を込めて読み進めていったのですが、結論はとてもがっかりするものでした。

 

そのことを説明する前に彼がこの本の後半部分で指摘した現代アメリカが抱えるいくつかの問題について書いておきます。

 

教育の問題ではアメリカの大学の学費が高騰し、ハーバード大学では寮費などを入れれば年間に900万円も必要になるそうです。州立大学でも年間200万円以上かかるので、どうしてもローン返済に追われることになるのです。若者にあれだけサンダースの支持者が多いのかが理解できます。

 

またフリードマンは現代を専門知識を持ったテクノクラートの時代と認識し、こういう人たちが行政を行なうと全体を総合的に見る力を失って、本当に政治の力を必要としている国民の助けにはなっていないと厳しく批判しています。

 

そしていよいよアメリカの外交問題について彼は書いていくのですが、冒頭に私が書いたように彼の結論は全く納得がいきませんでした。彼は次のように書いています。

 

「アメリカの直面する世界的なチャレンジは、われわれが発展させた循環的なプロセスを通して継続的に強められた力、富、革新が存在する国民のもとで、アメリカ帝国を維持し続けることができる政策を作ることである。」

 

あれだけ、50年や80年の波を強調してアメリカの変化をさんざん書いておいて、外交ではこれまで通りやっていくのですと言われてもなかなか納得できるものではありません。

 

次回はなぜフリードマンがこんな納得のいかない答えを出したのかを考えてみます。