松本さんは日本が朝鮮を併合している時代に朝鮮人が書いた文学や詩集などを徹底的に読むことでいかに朝鮮の文化が日本文化を元にして発展していったかを実証的に書かれています。

 

朝鮮の文化や産業が朝鮮半島内で発達する一方、対外的には満州事変や大東亜戦争などの影響から朝鮮人の日本人への同化が確実に進んでいったのです。

 

ところが日本が太平洋戦争でアメリカに負けることで、朝鮮半島の情勢は急激に変化し、ある日突然独立しなくてはならなくなりました。

 

最初に書いたように新しい韓国の行政や産業は、日帝時代に総督府や内地で活躍していた朝鮮人に託されました。韓国に住んでいる人々も日本の統治時代に豊かになっていった実態を肌で知っていましたから日帝の手先になっていた人たちが新韓国のエリートになったとしても文句はそんなに出なかったのです。

 

ただ韓国が独立するにあたって問題になったのはこれからどうやって国民の結束をはかっていくか、でした。

 

韓国には国民を統合するような偉大な宗教は存在しませんでしたし、日本が持っていた天皇のような便利な機関もありませんでした。

 

そこで国民の統合のために用いられたのが「反日」だったのです。

 

「世界が一変した戦後になって、あのとき親日したではないかと言われても、今さらどうしようもない。追及されるべき悪があるとすれば、日本人だった頃の自分の行為を含め、その責は日本が負うべきだ──。」

 

松本さんによれば韓国で反日が始められたのが李承晩政権の頃で、それがちゃんとした政策になったのは朴正煕大統領の頃だったといいます。

 

こうして独立した韓国は一方で日本で行われた政策を注視しそれを忠実に模倣していった親日的な側面と日本を悪として国民をまとめる反日的な政策とが同時に行われるようになったのでした。

 

「反日・親日の狭間を徘徊する、上下の意識層が矛盾した形で共存している、思考の二重構造、人格分裂症などとも言うが、帰するところは同じである。」

 

続く。