トランプ大統領がマクマスター大統領補佐官を辞任させ好戦的なボルトン氏をその任務につけました。

 

トランプ大統領は選挙期間中にイラク戦争を批判し、さらには孤立主義的な言動をとっていたためになぜボルトン氏のようなイラク戦争の主唱者を重要な任務につけたのだろうかという疑問を持った人も多かっただろうと思います。

 

私もなぜだろうと考えいて、ふと思いついたのがアメリカの外交官ジョージ・ケナンが『アメリカ外交50年』に書いていた文章でした。

 

「いわば一昨日までは、われわれと他国の間で争われている問題は、一人のアメリカ男子の生命を犠牲にするほどの値打ちもなかったのに、今日になれば外のことは全く問題にならず、われわれの目的は神聖なものであり犠牲など考慮する必要はない、無条件降伏を実現するまで戦い続けるということになる。」

 

前者は選挙期間中のトランプ大統領の言説であり、後者はボルトン氏の行動そのものです。

 

トランプ大統領の言説とボルトン氏の行動はいっけん正反対に見えますが、実は同じコインの表と裏を示しているのに過ぎないのです。

 

そして、そのコインが表しているものはアメリカの「ナショナリズム」なのです。

 

ウォルター・ラッセル・ミードは Special Providence という本の中で、アメリカ外交の代表的な思想を4つに分けていますが、トランプ大統領のようなアメリカのナショナリズムを体現した人物として、ジャクソン大統領をあげています。

 

ミードによれば、ジャクソン主義とはアメリカの価値が史上最強であると思っていて、国際法などにアメリカは何ら影響されず、アメリカに刃向かうものは「無条件降伏」するまで徹底して叩き潰すと言うのです。

 

さらに言えば、このジャクソン大統領は不法にインディアンを追放したことでも有名で歴史家の渡辺惣樹さんによれば、もうじき20ドル紙幣の印刷から追放されるそうです。

 

トランプ大統領もジャクソン大統領のように独断的で傲岸不遜であり、さらには人種主義的であることから、日本にとってことさら厄介な人物と思われるはずですが、意外と安倍総理とはウマが合っているようです。

 

このことは割と欧米の新聞では不思議がられています。

 

じつは日本は歴史的に重大な時期においてトランプ大統領のようなジャクソン主義者と遭遇しているのです。

 

ミードは本の中でジャクソン主義を体現している人物として、あのダグラス・マッカーサー将軍を挙げています。

 

マッカーサーも独断的で傲岸不遜でしたが、日本の吉田茂首相などは彼をおだてあげてただ乗りの安全保障を獲得しています。

 

日本はトランプ大統領のようなアメリカ人には免疫があったのでした。

 

そして今回、北朝鮮の核の脅威から日本を守るために、安倍首相は占領期に吉田茂がやっていたことをトランプ大統領に行っているわけです。

 

果たしてそれが成功するかはわかりません。