習近平中国国家主席が以前から狙っている対米外交は「新型大国関係」、いわゆるG2と呼ばれるものです。

 

トランプ次期大統領とアジアにおける勢力圏を取り決めて(Deal)、アジアにおいては中国が警察権を行使し、アメリカはハワイやグアムまで米軍を撤退させるというものです。

 

当然この時点で日米安保条約や米韓同盟は終了します。

 

こうなれば核兵器のない日本は厳しい立場に置かれるでしょう。日本は中国の属国になってしまう可能性もありますし、おそらく韓国は北朝鮮によって吸収されるでしょう。

 

一方、このようにはならないと予測している人もいます。

 

オーストラリアのLowy研究所のCrispin Rovere という人が興味深い予測をしています。https://www.lowyinstitute.org/the-interpreter/trumps-foreign-policy-america-first-not-america-only彼はトランプ次期大統領は正真正銘の「リアリスト」と規定しているのです。

 

「リアリスト」トランプは、ロシアとの関係ではNATOを無くして、ロシアを含む新しい安全保障の制度を作るかもしれないと予測しています。

 

そしてNATOを無くす代わりに、アメリカは中東やバルト諸国の安全保障にロシアを協力させ、さらにロシアを反中国の方向に持ってこさせるかもしれない(ついでにインドも)と書いています。(これがうまくいけば習近平VSトランプ、プーチン、モディ、安倍になります)

 

そもそもNATOは旧ソ連を仮想敵にしていた同盟です。それなのに旧ソ連が崩壊した後にさらに勢力を拡大させればロシアの怒りを買うことは明らかだとジョージ・ケナンも亡くなる直前に述べていました。だからRovereの提案は至極合理的です。

 

一方で「リアリスト」トランプは中国に対しては戦略的な競争者とみなすため、アジアを中国に引き渡すことは決して行わないと述べています。

 

中国が貿易や通貨の問題で譲歩しなければさらに中国に対する圧力を加速させるかもしれないと予想するのです。

 

現在の日米同盟の根本的な疑問は中国が日米の仮想敵ではなくてジョセフ・ナイなどは北朝鮮が共通の敵だと真剣に説明していることです。

 

しかし「リアリスト」トランプが中国を戦略的な競争関係と捉えるのならば、日本は集団的自衛権を持つアメリカの同盟国として協力できるでしょう。アメリカには米軍基地を減らしてもらう一方日本は軍備の増強を図ればよいのです。 

 

エドワード・ルトワックがトランプ次期大統領はドナルド・レーガンのようになると言っていましたが、Rovereの予測もトランプ次期大統領がアジア版レーガン大統領になる可能性を示しています。

 

それがうまくいって中国共産党がなくなれば、その時点で日米安保が無くなっても日本はおそらく大丈夫でしょう。

 

安倍総理が最初にトランプ次期大統領と1時間半も会談したことは「リアリスト」トランプの可能性を示唆しています。