第一次大戦においてドイツ帝国は最初にフランスを叩いてから返す刀でロシアを叩くというシュリーフェン・プランを採用しますが、ベルギーの中立を犯したためにイギリスの介入を招きます。

さらにドイツは無制限潜水艦戦を発動してアメリカの介入まで招いてしまいました。

リーベン教授はアメリカの介入がなければドイツは勝っていただろうと予測しています。なぜなら「ドイツがブレスト-リトフスク条約で得ていた東ヨーロッパの領土を固めることができれば、それは現実的にドイツが第一次大戦に勝利したということだ」と説明しています。

そのためには西部戦線では引き分けでじゅうぶんだというのです。

その上で将来ドイツが安定的に中央-東ヨーロッパを支配していくための鍵はウクライナの問題にあると指摘しています。

ドイツはブレスト-リトフスク条約でウクライナの独立をロシアに認めさせますが、ウクライナはロシアにとって重要な地域でした。

現在のロシアの主要な輸出品が天然資源であったように当時のロシアの輸出品は穀物であり、ウクライナが穀物の生産場所として重要な役割を占めていたからです。

だから仮にドイツが第一次大戦で勝利したとしても、「いずれかの時点で、ドイツ帝国はウクライナの独立かロシアとの和解を選ぶことを迫られるはずだ」とリーベン教授は予測するのです。

さて、私はリーベン教授が描くウクライナの話を読んでいて、それは大日本帝國が中国との間でもめた満州国の扱いにとても似ていると感じました。

ロシアはウクライナを帝国の不可分の一員と認識していたように中国も満州を不可分のものだと認識していました。

そして、当時の日本が中国から独立させた満州国をどうにか中国に認めさせようとしますが、それに成功したとは言えず、逆に日本と中国との戦争の原因になってしまうのです。

石原莞爾の日・満・支でブロックを作るというのは絵に描いた餅にすぎなかったのです。

だからリーベン教授が指摘するようにもしドイツが第一次大戦で勝利をしても、いずれ復活したロシアとの間でウクライナの問題で新たな争いが起こるのは確実だと私には思えるのです。

この様に第一次大戦の東側で起こった出来事と日中戦争とは共通する部分が多いのです。
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