1990年代前半のアメリカ共和党の外交思想を引っ張っていたオールド・ネオコンたちは現在のネオコンたちと比べてたいへん抑制された考え方を持っていました。
アービング・クリストルやジーン・カークパトリックは冷戦が終了したことでアメリカは「普通の国」に戻ることができるようになり、そのためには「NATOを解散させ、ヨーロッパやアジアからアメリカ兵を引き上げる」ことを主張していたのです。
ところが彼らの息子の世代のネオコンたちは親の世代とは全く違う考えを持っていました。
それが明らかになったのが、このブログで何度も引用したことのある、ブッシュ(父)大統領時代にニューヨーク・タイムズにスクープされた「米国戦略計画はいかなるライバルも出現しない事を求める」というタイトルの記事です。この記事でスクープされた文書は次のようなことを主張していました。
・冷戦後の米国の目的は他の超大国の出現を許さない事。
・この目的を十分なアメリカの軍事力で達成させる。
・集団的国際主義を排し、アメリカ単独でも行動できる様にする。
・イラク、北朝鮮の核兵器所有を拒否するため軍事力の行使も厭わない。
・日独の軍事力増強特に核兵器の所有を阻止。
ピーター・バイナートの『イカルス・シンドローム』という本の中でこの文書を書いた人達を特定しています。
「国防長官であるディック・チェイニーがポール・ウォルホウィッツに委託し、ウォルホウィッツはそれをルイス・リビーという助力者に委託した。リビーはそれをザルメイ・カリルザードというスタッフに委託して、カリルザードはリチャード・パールと他の少数の者たちと相談して決めた」
ネオコンの有名な人々が関与して造られたということがよくわかります。ブッシュ(父)大統領時代、この文書はあまりに過激だといったんはお蔵入りになったのですが、2016年現在から振り返ってアメリカの政策をきっちり予言していたものだったという感慨があります。
唯一失敗しているのが北朝鮮の核問題であり、これは下手をすると中国との対決に陥ってしまう可能性があるのでやむをえなかったのでしょう。
いずれにしろ新世代のネオコンたちは冷戦が終わってもアメリカが冷戦時の資産を使って世界の「覇権国」に留まり続けることを主張したのがこの文書だったのです。
では現在のオバマ大統領とこのネオコンの思想というのはどのような関係があるのでしょうか。
オバマ大統領はブッシュのイラク戦争を批判して当選してきましたが、アメリカが覇権国として居座り続けることには執着しています。国際政治学者の三浦瑠璃さんはブログにこう書いています。
「オバマ外交は、帝国としてのコストやリスクを負うことには消極的ですが、帝国としての地位は手放さないことを目指しています。そこにちぐはぐな印象を覚えるのは、本質的に、無理筋なことをしようとしているからです」
オバマ大統領のコンセプトは「戦争」をしない「帝国」なのです。(無人機ドローンや特殊部隊を使って裏ではやっています)
私は日本の保守派と違ってアメリカとイランの核合意を評価していますが、普天間基地の辺野古への移転をあくまで主張することについては批判的です。「戦争」をする気が無かったら米軍「基地」を減らせと言いたくなります。
オバマ大統領の政策が、「戦争」をしない「帝国」と表現できるのなら、共和党のトランプ候補の方はもっと簡単で、彼は本音的にはアメリカは「帝国」をやめると主張しているのに等しいのです。
そしてヒラリーが大統領になった場合に、彼女が国務長官時代に指揮したリビア問題が典型ですが、またもや「戦争」をする「帝国」に戻ってしまう気がしてならないのです。
アービング・クリストルやジーン・カークパトリックは冷戦が終了したことでアメリカは「普通の国」に戻ることができるようになり、そのためには「NATOを解散させ、ヨーロッパやアジアからアメリカ兵を引き上げる」ことを主張していたのです。
ところが彼らの息子の世代のネオコンたちは親の世代とは全く違う考えを持っていました。
それが明らかになったのが、このブログで何度も引用したことのある、ブッシュ(父)大統領時代にニューヨーク・タイムズにスクープされた「米国戦略計画はいかなるライバルも出現しない事を求める」というタイトルの記事です。この記事でスクープされた文書は次のようなことを主張していました。
・冷戦後の米国の目的は他の超大国の出現を許さない事。
・この目的を十分なアメリカの軍事力で達成させる。
・集団的国際主義を排し、アメリカ単独でも行動できる様にする。
・イラク、北朝鮮の核兵器所有を拒否するため軍事力の行使も厭わない。
・日独の軍事力増強特に核兵器の所有を阻止。
ピーター・バイナートの『イカルス・シンドローム』という本の中でこの文書を書いた人達を特定しています。
「国防長官であるディック・チェイニーがポール・ウォルホウィッツに委託し、ウォルホウィッツはそれをルイス・リビーという助力者に委託した。リビーはそれをザルメイ・カリルザードというスタッフに委託して、カリルザードはリチャード・パールと他の少数の者たちと相談して決めた」
ネオコンの有名な人々が関与して造られたということがよくわかります。ブッシュ(父)大統領時代、この文書はあまりに過激だといったんはお蔵入りになったのですが、2016年現在から振り返ってアメリカの政策をきっちり予言していたものだったという感慨があります。
唯一失敗しているのが北朝鮮の核問題であり、これは下手をすると中国との対決に陥ってしまう可能性があるのでやむをえなかったのでしょう。
いずれにしろ新世代のネオコンたちは冷戦が終わってもアメリカが冷戦時の資産を使って世界の「覇権国」に留まり続けることを主張したのがこの文書だったのです。
では現在のオバマ大統領とこのネオコンの思想というのはどのような関係があるのでしょうか。
オバマ大統領はブッシュのイラク戦争を批判して当選してきましたが、アメリカが覇権国として居座り続けることには執着しています。国際政治学者の三浦瑠璃さんはブログにこう書いています。
「オバマ外交は、帝国としてのコストやリスクを負うことには消極的ですが、帝国としての地位は手放さないことを目指しています。そこにちぐはぐな印象を覚えるのは、本質的に、無理筋なことをしようとしているからです」
オバマ大統領のコンセプトは「戦争」をしない「帝国」なのです。(無人機ドローンや特殊部隊を使って裏ではやっています)
私は日本の保守派と違ってアメリカとイランの核合意を評価していますが、普天間基地の辺野古への移転をあくまで主張することについては批判的です。「戦争」をする気が無かったら米軍「基地」を減らせと言いたくなります。
オバマ大統領の政策が、「戦争」をしない「帝国」と表現できるのなら、共和党のトランプ候補の方はもっと簡単で、彼は本音的にはアメリカは「帝国」をやめると主張しているのに等しいのです。
そしてヒラリーが大統領になった場合に、彼女が国務長官時代に指揮したリビア問題が典型ですが、またもや「戦争」をする「帝国」に戻ってしまう気がしてならないのです。
