『ナショナル・インタレスト』にリアリズム学派のポール・ピラーがイランとサウジアラビアの対立に巻き込まれることを懸念したコラムでイランの体制について次のように書いています。
http://www.nationalinterest.org/blog/paul-pillar/dont-take-sides-other-peoples-quarrels-14831
「複雑なイランの憲法上の構造は反民主主義の要素を持っている。特にガーディアン・カウンシル(保護協議会)が恣意的に選挙の立候補者をはねてしまうのが問題である。しかしイランの方がサウジアラビアよりもはるかに民主的な要素を持っているのは確かである。イランにおいては議会や大統領は選挙で選ばれる。中東の基準においてだが、イランはその地域においては最も民主化が進んだ国の一つなのである。」
ピラーの意見に私も賛成なのですが、もう一つイランが普通の民主主義の国と違うのは、革命防衛隊の指揮権が選挙で選ばれた大統領にはなく、宗教指導者にあることです。
このイランの独特な政体を見て、本当に戦前の大日本帝國に似ているなと私は不思議に思います。明治維新とイランの宗教革命は随分離れた位置にあると思っていたのですが。
ちなみに、アメリカのフーバー元大統領の回顧録に戦前の日本の体制について簡潔に書いている部分があるので、参考に訳しておきます。
「日本は天皇を元首とする立憲君主国である。また天皇は日本の宗教の頂点でもある。政府はほとんどの場合国会において承認される。首相と閣僚は名目上天皇から任命される。(通常元老から指名を受ける。)そして首相と閣僚達は帝国議会の信認を受け、責任を負うことになる。しかし、大臣の職務にはこれまでの憲政では見られない特徴がある。それは陸軍と海軍がそれぞれの大臣を任命することである。」
ところで、佐藤優氏や青山繁晴氏といった評論家はアメリカやイスラエルに影響されたのかは知りませんが、イランに対していつもバイアスのかかった見方を示しています。
私はその見方には反対です。
http://www.nationalinterest.org/blog/paul-pillar/dont-take-sides-other-peoples-quarrels-14831
「複雑なイランの憲法上の構造は反民主主義の要素を持っている。特にガーディアン・カウンシル(保護協議会)が恣意的に選挙の立候補者をはねてしまうのが問題である。しかしイランの方がサウジアラビアよりもはるかに民主的な要素を持っているのは確かである。イランにおいては議会や大統領は選挙で選ばれる。中東の基準においてだが、イランはその地域においては最も民主化が進んだ国の一つなのである。」
ピラーの意見に私も賛成なのですが、もう一つイランが普通の民主主義の国と違うのは、革命防衛隊の指揮権が選挙で選ばれた大統領にはなく、宗教指導者にあることです。
このイランの独特な政体を見て、本当に戦前の大日本帝國に似ているなと私は不思議に思います。明治維新とイランの宗教革命は随分離れた位置にあると思っていたのですが。
ちなみに、アメリカのフーバー元大統領の回顧録に戦前の日本の体制について簡潔に書いている部分があるので、参考に訳しておきます。
「日本は天皇を元首とする立憲君主国である。また天皇は日本の宗教の頂点でもある。政府はほとんどの場合国会において承認される。首相と閣僚は名目上天皇から任命される。(通常元老から指名を受ける。)そして首相と閣僚達は帝国議会の信認を受け、責任を負うことになる。しかし、大臣の職務にはこれまでの憲政では見られない特徴がある。それは陸軍と海軍がそれぞれの大臣を任命することである。」
ところで、佐藤優氏や青山繁晴氏といった評論家はアメリカやイスラエルに影響されたのかは知りませんが、イランに対していつもバイアスのかかった見方を示しています。
私はその見方には反対です。