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ハーバード大学のスティーブン・ワルト教授によれば、イラク戦争はネオコンが計画したものをヒラリー・クリントン元国務長官のようなリベラル介入主義者達が賛成して行われたと書いています。

ではアメリカのネオコン派はイラク戦争を起こして何を達成したかったのでしょうか。

彼らの構想が少しばかり理解できる文書があります。

ブッシュ(息子)大統領の国防副長官であったネオコンのポール・ウォルフォウィッツがブッシュ(父)大統領時代に書いた文書が『ニューヨーク・タイムズ』にスクープされ、「米国戦略計画はいかなるライバルも出現しない事を求める」というタイトルで報じられました。その内容は次のようなものです。

「冷戦後の米国の目的は他の超大国の出現を許さない事」

「この目的を十分なアメリカの軍事力で達成させる。」

「集団的国際主義を排し、アメリカ単独でも行動できる様にする」

「イラク、北朝鮮の核兵器所有を拒否するため軍事力の行使も厭わない」

「日独の軍事力増強特に核兵器の所有を阻止」

つまり冷戦に勝利した枠組みを用いて世界の覇権をとってしまうというビッグな構想でした。

次にアメリカで9.11のテロ事件が起こります。

ネオコン達にとってテロの首謀者であるビン・ラディンとそれをかくまうタリバンを叩くことは当然でしたが、それだけでは全く足りませんでした。

冷戦時代のアメリカのアラブにおける最も大切な同盟国はサウジアラビアだったのですが(エジプトもはいるかもしれませんが、石油の観点から見たらサウジでしょう)、ビン・ラディンのテロの大半がサウジアラビアの人々であったことでネオコンはある種の不安を覚えるのです。

民主主義など全く関係がないサウジをこれからもアメリカが支持することで本当に中東が安定するのだろうかというわけです。

先に紹介した文書でネオコンは日独の核武装を否定していましたが、彼らは戦後の日独の歩みを高く評価していました。

戦後の日独は民主主義が定着し、さらに資本主義も高度に発展します。

そして最も重要なことはアメリカが親米的になった日独と同盟することによって、ヨーロッパや東アジアでのその影響力を十分に発揮できるということだったのです。

冷戦時代にアメリカが最も必要としていた国が日本とドイツだということはエマニュエル・トッドの本にも書かれています。

ところが中東にはアメリカが頼れる民主化された安定した同盟国がなかったのです。もちろんイスラエルはありましたが、どう考えてもアラブ世界では「異質」な存在でしたし、サウジアラビアはあまりにも反動的でした。

そこで中東のど真ん中にあるイラクを日本やドイツのように仕立てようと考えたのがネオコンのイラク戦争でした。(ちなみに朝鮮半島、中国、ロシアに接する部分に満州国を作った石原莞爾の発想に似ているような気がします。)

アメリカのブッシュ大統領がイラクに対して何度も日本やドイツの戦後と重ね合わせて語っていたことがその証拠です。

おそらくはネオコンからそのようなことを吹き込まれたのでしょう。

やはりネオコンの一番の間違いは、民主主義が一夜にしてできると考えたことだと思います。

ドイツでは第一次大戦後のワイマール時代に民主主義はちゃんとありましたし、日本でも大正デモクラシーと呼ばれる時代があったのですが、なぜかネオコンはその歴史を無視してしまうのです。

結局、イラクを日本やドイツのような民主化され安定した親米的な国にするというのは全くの蜃気楼で、残されたものはカオスとテロの嵐だったのです。

彼らにその責任をちゃんととってほしいと思っているのは私だけではないと思います。
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