先日イランとアメリカを含む国々との間でイランの核に対する枠組みが合意されました。
このこと自体は私は評価されるべきことだと思っています。ところが今回レベレット夫妻のGoing to Tehran を読んで思い出したのですが、国連の場を使ってイランに対して厳しい経済制裁を是が非でも達成しようとリーダシップを発揮していたのがオバマ大統領だったのです。
2010年にブラジルとトルコの仲裁でテヘラン宣言がなされます。この合意内容はイランに貯蔵されていた低濃縮のウラン1200キログラムを海外に持ち出すことも約束されており、これはIAEAも支持していました。
ところがオバマ大統領はこの合意内容には見向きもせず、イランに対する経済制裁に邁進するのです。「オバマ政権はイランに対する経済制裁に強情だった。2010年6月に安全保障理事会で決議されたが、ブラジルとトルコは反対した」とレベレット夫妻は書いています。
もしかしたらオバマ大統領はこの時点ではイランに対する経済制裁によってイランが核の濃縮を諦めると思ったのかもしれません。
ところが現実は正反対で、イランは核の濃縮に使う遠心分離機の数を増やし続けたのです。
つまりオバマ大統領は完全に見通しを誤ったわけで、彼はこれから自分が率先して始めたイランの経済制裁を共和党が反対するなかで徐々に解除していかなければならないという難しい立場に追い込まれたのです。
この「見通しを誤る」ということはイランに関するものだけではありません。アジア方面でもそうなのです。
今回、安部総理のアメリカ訪問においてオバマ大統領は終始ご機嫌でした。
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オバマ米大統領は3日、ホワイトハウスのツイッターで、公式訪米した安倍晋三首相に対し「歴史的な訪問を感謝する。日米関係はこれまでになく強化された。また、近いうちに」と謝意を伝えた。安倍氏の感謝に応じたもので、「また、近いうちに」は日本語だった。
安倍氏はこれに先立ち、首相官邸のツイッターで「バラク、リンカーン記念堂の案内や山口県の酒、俳句をいただき、いろいろとありがとう」と英語で記していた。両首脳の親密さをアピールする狙いがあるようだ。
5/4 時事通信
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そもそもオバマ大統領は最初から日米関係の強化に興味があったのでしょうか。私にはそのようには思われません。
それは首脳会談の時間からもわかることで、オバマ大統領はこれまで習近平の中国に対して随分気を使っており、日本との関係は付け足しのような感じが私にはしていました。
ところが、重要視していた中国が露骨にAIIBの問題などでアメリカ排除の姿勢を打ち出してきたのです。
本当なら自分の中国に対する見通しの誤りを責められる立場だったのですが、ここに日米関係の強化を就任直後からうったえている安部総理が訪米しにきたのです。
これまでほとんど考えていなかった「日米関係の強化」がオバマ政権の業績になってしまったのです。
自分の中国に対する見通しの誤りを安部首相の訪米がリカバーしたというわけです。
このことが今回安部首相の訪米に対してオバマ大統領が終始ご機嫌だった理由だと私は思っています。
