フランスの知識人、エマニュエル・トッドが『朝日新聞』のインタビューを受けているのを見つけました。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11608952.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11608952
この中でトッドは次のような発言をしています。
「もう一つの危機は、移行期にある途上国のものです。皆が読み書きできるようになり、人口増のペースが鈍り始めた社会。イスラム圏が典型ですが、かつてのフランスや日本が経験したように、そこには迷いと混乱、暴力がつきものです。例えば教育水準でも、地球上の社会すべてが同じ時代にあるわけではない。米欧日やロシアでは若者の30~50%が高等教育を受け、自由競争が彼らの生活水準を押し下げています。他方イスラム圏の教育水準は、先進国の1900年ごろにあたります」
彼の発言が気になって、日本の戦前の出生率を調べてみました。
1925 5.11
1930 4.72
1937 4.37
1938 3.82
1939 3.74
1940 4.12
1947 4.54
1950 3.65
http://winet.nwec.jp/toukei/save/xls/L100120.xls
戦後(1940年)にベビー・ブームが存在していたことは知っていましたが、それ以前の日本の出生率がこんなに高かったとは知りませんでした。
日本の国民が軍部の主導した満州事変に賛成した理由が私にはあまり理解できなかったのですが、当時の出生率が5に近い数字だとなんだか納得できる気がします。
こんなに高い出生率だと絶対に日本の領土に対して手狭感が出てくるのだと思います。
トッドが言うように戦前の日本が暴力的だったのはこの出生率の高さが原因だったのかもしれません。
逆に現在の日本が平和主義的なのは「平和憲法」のおかげでもなく、単に出生率が1.4にまで減ったことが原因なのかもしれません。