中国の主催するAIIB(アジア投資銀行)にイギリスが加わったことで潮目が変わり、日本もそれに加わったほうがいいのではないかという議論があります。

アメリカの覇権体制が崩れ、実利を狙ったヨーロッパ諸国が雪崩を打ってAIIBに加わったというわけです。

おそらくこのような見解が現在の日本で代表的な意見じゃないかと私は思っています。

ところがこのような見解に異論を唱える記事を見つけました。著者はアメリカのマーシャル・ファンドのドイツ支店の研究者のようです。

「キャメロン首相の目的はアメリカを敵に回すことでもないし、新しいアジアの融資制度を作るものでもない。本当の目的はEUの中で最も中国との結びつきが強いドイツの地位を貶めようとするものなのである。」

EUと中国の貿易量の40%をドイツと中国の貿易が占めており、ヨーロッパの中でドイツだけが中国との間で毎年閣僚会議を開く間柄だったのです。この状態に焦ったイギリスが中国の主催するAIIBに飛び込んだのが真相だそうです。

第一次大戦の原因ともなった欧州のパワー・ポリティクスをアジアに輸出したというわけです。

イギリスがこのようなくだらない理由でAIIBに入ったことが本当なら、日本が焦る必要は全くないのです。

これから習近平政権は安定し、発展を続けることができるのでしょうか。以前に紹介したアメリカの中国学者のデーヴィッド・シャンボー教授が言うように不透明なのです。(彼の議論を詳しく書いていた記事があったので、ここに示しておきます。)

じつは戦前に日本は中国に多額のお金を貸して、それを焦げ付かせ国民の税金で埋め合わせるという大失態をした経験があります。

それは西原借款と呼ばれるもので、ちょうど中国で清朝が崩壊した時に日本は段祺瑞政権に当時のお金で一億5千万円を貸し付けたのですが、この政権は安定せずに崩壊し、日本の貸付金も返済不能となってしまったのです。

欧州がAIIBに入っても過大な資本金は取られないようですが、日本の場合は違います。

ここは慎重に対応したほうが賢明ではないでしょうか。