今日は『アメリカン・インタレスト』のサイトに載っていたウォルター・ラッセル・ミードの論考について書いてみたいと思います。

以前のこのブログで共和党の上院議員47人がイランに対して公開書簡を発表したことを書きました。

ミードはこのことについては批判的なものの、イランとの交渉に共和党議員を入れないのは不合理だと主張します。なぜなら合意の結果を履行するにはどうしても議会の力は必要だからです。

そして彼は次のような例を示しています。

「ウィルソン大統領がヴェルサイユ条約を交渉する時に共和党上院議員の代表を排除したことが大統領の歴史的な失敗につながった」

ウィルソン大統領は第一次世界大戦の後に国際連盟を構想したのですが、反対多数でアメリカは自分が作ったものに参加できないという大失態を演じたのです。

だからミードは共和党の上院議員を排除することは将来せっかく作った合意を議会にひっくり返される可能性があるので共和党の議員の意見を取り入れなければいけないというのです。

実は私もオバマ大統領の外交路線に楽観視できないのもミードが指摘するように議会がひっくり返す可能性があるからです。

ちなみにウッドロー・ウィルソン大統領もオバマ大統領と同じで民主党出身の大統領でした。

ミードはこの論考の中で、現在イランと交渉を行っている国連の常任理事国とドイツ以外にイスラエル、サウジアラビアと米国議会を加えろと主張しています。

しかしながらイスラエル、サウジアラビア、アメリカ議会を加えると問題がややこしくなることは避けられません。

彼らを交渉に加えるとイランに対して軍事用、民生用にかかわらず一切の核の濃縮は禁止されるべきであり、イランがそれに従うまで経済制裁を強化するというものになる可能性が大です。

イランはそのような提案に応じる可能性があるのでしょうか。甚だ疑問です。

この章続く。