今回は未来の日韓関係がどのようになるか予想してみたいと思います。

前回紹介した『誅韓論』の結論は次のようなものでした。

「中国のほうへ追いやれ、できるだけ早く中国に取り込ませろ。そのためにはあらゆる手段を尽くして韓国を弱体化させろ。」

私はこのようになる確率は甚だしく低いと考えており、将来も日本は韓国との関係を続けざるを得ないと考えていますが、これまでの付き合い方とはずいぶん違ったものになると考えています。

少し説明してみます。

韓国人ブロガー・シンシアリー氏の最新刊『韓国人による沈韓論』に現在の韓国外交を憂える場面があります。

「私は最近の韓国の外交政策を、大韓帝国時代に非常に似ていると思っています。
あの時、大韓帝国は自分の立ち位置を見誤り、中国についたり日本についたりロシアについたり、コウモリのように裏切りをくりかえした挙げ句の果て、あっさりなくなりました。
『歴史を忘れた民族に未来はない』。韓国が自分自身に向けられるべきこの言葉、なぜか日本に対して発せられています。そのまま韓国民族の未来がなくなってしまうのではないか、ぞくにいう『ブーメラン』になるのではないか、朴クネ大統領、彼女は自覚しているのでしょうか。」

実はこれと同じことを一進会という日露戦争が始まった頃に発足した大韓帝国の団体が「韓日合邦を要求する声明書」に書いています。

「甲午ノ年日本ヘ日淸戰役ヲ起シテ巨億ノ戰費ヲ消シ累萬ノ戰士ヲ喪ヒ淸國ノ羈絆ヲ脫却シ我韓ノ獨立ヲ確有セリ然ルニ政治ヲ濁亂シ好誼ヲ排擊シ善ク此萬世ノ基礎ヲ守ル能ハサリシハ我韓人ノ自ラ取リシ所ナリ竟ニハ日露戰爭ノ因果ヲ媒介シ日本ノ損害ハ甲午ニ十倍シタルモ我ヲシテ露人虎口ノ一塊肉タルヲ免カレシメ東洋全局ノ平和ヲ維持スルニ努メタリ然ルニ此善隣ノ主義ニ樂從セントハセス反テ朝秦暮楚ノ弊ヲ生シ遂ニ外交權ヲ他ニ讓與シ保護條約ヲ成立スルニ至レルモ亦我韓人ノ自ラ招ケル所ナリ」

(日本は日清戦争で莫大な費用と多数の人命を費やし韓国を独立させてくれた。また日露戦争では日本の損害は甲午の二十倍を出しながらも、韓国がロシアの口に飲み込まれる肉になるのを助け、東洋全体の平和を維持した。韓国はこれに感謝もせず、あちこちの国にすがり、外交権が奪われ、保護条約に至ったのは、我々が招いたのである。)
wikipedia訳

結局、韓国がこのまま宙ぶらりんの外交を続けていけば、いずれ中国やアメリカからも見放され、北朝鮮という莫大な負債を抱えた韓国が立ち往生するという姿が予想できます。

そうなれば当然韓国は日本に助けを求めてくることは想像できますが、朴・クネ大統領のように「歴史を忘れた民族に未来はない」というアプローチで日本に接してきた場合に日本はそれを受け入れるでしょうか。

受け入れることはさすがに無理でしょう。

そこでいずれ韓国でそのような国家的な危機が起きた時に一進会に似た「親日的」な団体が韓国内で再び発足するのではないかというのが私の予想です。

一進会という団体は日露戦争中に鉄道を引いたりするのを無償で日本に協力してくれました。

しかし、当時の明治政府は彼らの努力には無理解で併合後にはこの団体を廃止させてしまったのです。

これは明らかに日本のミスです。日本は彼らを通じて韓国の発展に協力してあげれば良かったのです。

そうすれば独立したとしても「反日」一辺倒になることは防げたでしょう。

日本は同じミスを犯してはいけません。もし将来一進会のような団体が発足したら日本は彼らを応援すべきなのです。

シンシアリー氏は、『韓国人による沈韓論』の中で「自分の勇気と力が足りないからこその歪みです」と自分の実名が出せないことを卑下しています。

ソウル大学の教授が慰安婦のことで本音をしゃべったら慰安婦達に土下座をさせられるような「反日全体主義」の雰囲気では実名をさらすことは難しいのでしょうが、それだけが理由だと私は思いません。

韓国の大統領がいかに変な外交をやろうが、いちおう米韓同盟は健在で韓国に真の危機が訪れたとはいえません。

やはり韓国で本当の危機と言えるのはアメリカから見放される時でしょうか。

そのような時に私は韓国で一進会のような「日本と仲良くなろう」という団体が発足する可能性が高いと思っています。

そして始めて私たちはシンシアリー氏の実名を知ることになるのです。