アメリカのオバマ大統領がシリアの反体制派に武器を供与することにしたようです。

アサド大統領が化学兵器を使用したのが主要な理由みたいなのですが、どうもはっきりしません。それよりもイランとヒズボラの介入によってアサド大統領側が優勢になったので、反体制派をバックアップしようというのがアメリカ側の狙いみたいです。

これでイランのシリア介入が、戦前の日中戦争みたいに泥沼になる様相を見せてきました。

シリアの内戦は明らかにイスラム教の宗派対立の様相を示しています。アサド大統領はアラウィー派といわれイランのシーア派に近いようです。そこでイランやヒズボラが支援しているのです。一方反体制派にはスンニ派が存在しサウジアラビアなどが支援しています。

私が一番わからないのは、なぜアメリカがイスラム教シーア派のイランばかりを憎んで、サウジアラビアを代表とするスンニ派ばかりに肩入れをするのかです。

イランのシーア派が専制的で軍国主義的なことばかりしている一方、スンニ派が平和主義で民主的であるというのならアメリカの行動も少しは理解できるのですが、実際はそうではありません。

9・11のテロ事件の犯人の多数がサウジアラビア人でしたし、サウジの内政もイラン以上に抑圧的です。

それでもアメリカは、スンニ派を応援しシーア派を潰そうとするのです。果たしてシーア派を潰してしまえば中東は平和になるのでしょうか。ここらへんのアメリカの一方的な態度はワシントン会議以後の日本敵視に通じるものがあります。ルーズベルト大統領なども本心から日本が無くなればアジアは平和になると思っていたようです。

しかし現実にはそんなことはありませんでした。中東でも同じことです。フレッド・カプランというジャーナリストは中東を安定させるためにはシーア派とスンニ派をバランスさせよと正論を書いていましたが、現在のアメリカの政府に聞き入れる度量は無いようです。