久しぶりにイランの問題です。

1/22日のGuardianにHossein Mousavianという以前にイランの核交渉で広報官をつとめていた人が現在の交渉状況について書いているので、それを使って少し解説をしてみます。

彼は、現状がイランにとって納得できないかを次のように書いています。

「2003年以来イランが核兵器を作っているという証拠は無い。そしてイランの首脳達は核を作るという決定を未だしていない。反対にイスラエルは、NPTにも加盟しておらず、一回も査察を行っていない。また何百発もの核兵器を保有している。イランが40年前から『核の無い中東』を主張しているのに、それが実現しない理由は明らかである。」

これは以前から私が指摘している「不公正」の問題で、戦前の日本と米・英の間で起きた問題と似ている面がかなりあります。

しかし、このようなことをいくら訴えても現状は変えることができないことは、この人もわかっているようで、現在の交渉の進展具合について書いています。

現在IAEAとP5+1(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国とドイツ)は、イランに対して、核不拡散条約の追加条項の実施(査察の拡大、核開発の軍事面に関する協力)、ウランの濃縮を5%までにすること、国内で消費できない濃縮されたウランを輸出することなどを求めているようです。

これと似たようなことは、以前に北朝鮮に対して行おうとし、見事に拒否されています。このような条件をイランは呑むつもりがあるのでしょうか。

「イランとの核交渉の現実を良く知っているものは、イランには上記の条件を飲むつもりであることを認識している。その代わり、イランはNPT体制下での合法的な濃縮の権利と経済制裁の停止を求めている。しかし、不幸なことにP5+1はそのような条件を受け入れないのである。」

彼の主張する条件を訳していて思ったことは、やはり戦前の日本とアメリカの関係です。

近衛首相は、戦争を避けるために中国からの撤兵と引き換えに経済制裁の解除をアメリカに求めるためにルーズベルト大統領と首脳会談を求めました。

ところがナショナル・インタレストの編集長であるウィリアム・メリーが指摘するように、日本との戦争を欲していたルーズベルトに簡単に拒否されてしまい、近衛内閣は瓦解してしまったのです。

オバマ大統領が経済制裁の問題でなぜイランに対して譲歩した案を示せない理由が私にはさっぱりわかりません。反対派がそんなに怖いのでしょうか。