Stratforという民間の情報機関が北朝鮮の崩壊について書いています。

私が読んだ限りでは、「三代目で破産する」という内容でした。こんな単純な結論でいいのでしょうか、というのが率直な感想です。

この論文に、直近の歴史で分裂国家が統一した例が書いてあります。ベトナム、ドイツ、イエメンの場合です。

実は、これらの国家が統一した理由には、きちんとした法則があります。

ベトナムの場合、南ベトナムをアメリカが支え、北ベトナムをソビエトや中国が支えるという構図でした。ところが、ベトナム戦争でアメリカが敗退し、北主導の統一に至ったのです。

ドイツの場合も、ゴルバチョフの登場と冷戦の終了でソビエトが東ドイツへの政治的な支持をやめてしまったので西ドイツ主導の統一が可能になったのです。

イエメンのことは詳しくは知らなかったので、ネットで調べてみました。すると統一した年が1990年と記してありました。

やはり冷戦の終了が関係しているのではないかと推測し読み続けると「政治的には南はマルクス・レーニン主義を掲げるイエメン社会党の一党独裁体制」と書いてあったのです。

つまり、分裂国家の場合、必ず背後にパトロン国家が存在します。そしてどちらかのパトロン国家が支えることを諦めたら、反対側の国に吸収合併されるということです。ベトナム、ドイツ、イエメン全てにあてはまります。

では北朝鮮の問題に戻ってみましょう。どう考えてもこの国を支えているのは中国です。中国が北を支えることをやめれば、あの国は一瞬で無くなるでしょう。しかし、現在の中国共産党政府が存在する限り北朝鮮への援助をやめるとは思えません。

結論として、中国で共産党の支配が続く限り、北朝鮮は持ちこたえることができるのです。

だから、拉致問題などで北朝鮮の崩壊を願っている人は、一日も早い中国共産党の崩壊に努力を傾けるべきなのです。