クルーグマン教授の最新刊 End This Depression Nowをようやく読み終わりました。

現在日本の政府の負債はGDPの200%を超え、このままではハイパー・インフレになってしまうという識者がいます。

アメリカでも、このまま財政赤字が拡大するとジンバブエや1920年代のドイツのようになると脅かす人がいるようです。

そのような人たちに向かって教授は次のように答えています。

「企業が商品の価格を上げるのは、マネー・サプライが上昇したからではない、彼らの作る商品の需要が上昇したからだ。」

これを短くして、No boom , no inflation.、と書いてあります。

つまり、景気が加熱しなければ、インフレなどなりようがないというわけです。

ところが、現在の金利は日米ともに0近辺に張り付いているのですが、誰も作った以上のモノを買わないのです。

このような場合は、政府支出の増加で対応するしかないと教授は書いています。

さらに、ハイパー・インフレ論者の矛盾点を教授は指摘しています。

つい最近、10年モノの日本国債の金利が9年ぶりに、0.8%を下回ったというニュースが出ていました。

マーケットは、全然ハイパー・インフレを予想していないわけです。

ところが、ハイパー・インフレ論者はいいます。「今、増税しなければ、いずれ銀行は日本国債を大量に売り出すだろう。そうすればマーケットで金利が暴騰して終わりだ。」

このような人に対して教授は、「マーケットの期待に添う政策をうたっておいて、現実のマーケットを無視するのはおかしい」と幾分皮肉をこめて書いています。