鳩山元首相のイラン訪問は、国会でもネットでも評判が悪いですが、私は彼と同じような危機意識を抱いています。

イスラエル批判がどの国よりもタブー化しているドイツでもギュンター・グラスというノーベル賞作家が声を上げています。

ーーーーーーーーーーーー
ノーベル文学賞を受賞した独作家ギュンター・グラス氏(84)が、「世界平和を危うくしているのは核保有国であるイスラエル」などの節を含む詩を公表し、議論を巻き起こしている。


 独紙に発表された詩「言わねばならないこと」でグラス氏は、イスラエルによる事実上の核保有についてドイツは「長い間沈黙してきた」と指摘。ナチス時代の記憶のため、イスラエル批判は反ユダヤ主義として糾弾されてしまうからだ、などと書いている。

 イスラエルと敵対するイランの核兵器について詩には「その存在は証明されていない」と書かれてある。
ーーーーーーーーーーーーー Yomiuri Online

では鳩山元首相のイラン訪問は成果があったのでしょうか。ネットには次のような記事が出ていました。

ーーーーーーーーーーーー
イランを訪問している民主党の鳩山由紀夫元首相は8日午後、同国のアハマディネジャド大統領と会談した。国営通信によると、鳩山氏は「信頼関係の構築、国際的な法や規制を順守することは極めて重要だ」と指摘、「核兵器のない世界を実現するため、ともに努力すべきだ」と述べた。

 アハマディネジャド氏は「イランは核兵器に完全に反対の立場」「核兵器のない世界を築くために努力することは必要不可欠だ」などと強調。13日に再開される国連安全保障理事会の5常任理事国にドイツを加えた6カ国との協議で「現実的な提案をする」と話した。

 これに先立ち、鳩山氏は7日午後にイランのサレヒ外相と会談。サレヒ氏は、イランの核開発は平和利用が目的であり、その権利を放棄することは決してないと述べた。(共同)
ーーーーーーーーーーーーーー
鳩山氏はイランの外相と大統領と面会したようですが、先の選挙の結果彼らの力は随分弱まってしまいました。アハマディネジャド大統領は核問題を交渉で解決したいと思っていたのですが、いつも宗教指導者であるハネメイ氏が足を引っ張ってきました。

そこで、いくら鳩山元首相がアハマディネジャド大統領に訴えてもあまり意味は無いのです。現在、イランの権力はハネメイ氏側にあるのです。

そして、いよいよイランの核をめぐる最後の交渉が行われますが、ハネメイ氏は国際社会を納得させる譲歩ができるのでしょうか。

私は否定的です。

以前から、私は現在のイランの立場を戦前の日本の立場と比較しながら考えてきました。

近衛首相が、中国からの撤退をルーズベルト大統領に直接訴えようとしました。グルー駐日大使の助力にもかかわらず、ルーズベルト大統領は拒否します。その結果、近衛首相は退陣し、より強硬な東條首相が政権につきます。

東條もアメリカに対して、甲案、乙案という譲歩策を提示しますが、甲案では中国北部に25年の駐兵が条件に入っているなどアメリカを納得させることはとうていできませんでした。

イランのハネメイ氏は柔軟なアハマディネジャド大統領を否定したという点で、東條首相の立場におかれています。そうであれば、彼もイスラエルやアメリカを納得させる提案はできないのではないか、というのが筆者の考えです。

この会議が失敗すれば、いよいよ戦争です。

第一次世界大戦は欧州で起こりました。第2次世界大戦は欧州とアジアで起こりましたが、ヨーロッパでの戦争は第一次世界大戦の戦後処理の間違いと考えれば、新しく起こったのはアジアでの戦争でした。そして、今回イランでの戦争になれば、それは全中東に拡散する第3次世界大戦の様相を呈するでしょう。