以前、このブログで筆者がTPP問題に抱いた感想を次のように書きました。
「このところ、色々なところで、TPPに関するブログを読み、そのうさんくささを強く感じるようになってきました。
しかし、一方でTPPに反対する人たちに対して疑問を持つようにもなってきました。
現在の日米関係のなかで、野田総理はアメリカに対してノーということができるのでしょうか。」
孫崎享さんの最新刊『不愉快な現実』にアメリカがこの問題でどのように対応したかが書かれています。
野田首相は2011年11月10日に当初予定していた態度表明を与野党の反対で翌11日に延期せざるを得ない状況に追い込まれていました。
「11月8日、ペリー元米国防長官、ハムレ米戦略国際問題研究所所長、シーファー前駐日大使、アーミテージ元国務副長官が野田首相と会談した。」
民主、共和の大御所達が野田首相にねじこんでいる姿が目に浮かぶようです。
それでも、党内の反対が強くて首相はなかなか決断できません。ようやく決断したのが11日の午後8時でしたが。そのあと8時半になんと「キッシンジャー元国務長官が官邸を訪れ、野田首相と会談した」そうです。
なんともう90歳になろうとする御大キッシンジャー氏まで動員されて、アメリカに向かってノーと言えるのでしょうか。私には言えません。
私はこのように日本の政策に露骨に口を出してくるアメリカのエスタブリッシュメントに不愉快な感情を抱いていますが、残念ながら現在の日本人に彼らを黙らせる力はありません。
その能力があるのはアメリカの有権者だけです。
リーマンショックのあとから、アメリカ人の有権者は徐々に現状に対して不満を持ってきています。それを表しているのがポピュリズム運動で、右は「ティー・パーティー」、左は「オキュパイ・ウォール・ストリート」が存在感を強めています。
ロバート・ライシュは、アメリカの不平等が是正されなければ、2020年の大統領選でこのポピュリズムが政権をとると予測しています。
もし彼らが政権を取れば必ずやることがあります。それはpurge(追放)と呼ばれるものです。
日本がアメリカに占領された時にも、政府高官の多数の追放が行われましたし、1950年代の「赤狩り」でも共産主義に関与しているとして多数の人々が犠牲になりました。
次にポピュリストが政権を取れば、それまでアメリカを支えていたエスタブリッシュメントが血祭りに上げられるでしょう。当然現在日本に圧力を加えている人も犠牲になります。
その時点で、ようやく日本はアメリカから「自由」になれるのです。
後8年の我慢です。
「このところ、色々なところで、TPPに関するブログを読み、そのうさんくささを強く感じるようになってきました。
しかし、一方でTPPに反対する人たちに対して疑問を持つようにもなってきました。
現在の日米関係のなかで、野田総理はアメリカに対してノーということができるのでしょうか。」
孫崎享さんの最新刊『不愉快な現実』にアメリカがこの問題でどのように対応したかが書かれています。
野田首相は2011年11月10日に当初予定していた態度表明を与野党の反対で翌11日に延期せざるを得ない状況に追い込まれていました。
「11月8日、ペリー元米国防長官、ハムレ米戦略国際問題研究所所長、シーファー前駐日大使、アーミテージ元国務副長官が野田首相と会談した。」
民主、共和の大御所達が野田首相にねじこんでいる姿が目に浮かぶようです。
それでも、党内の反対が強くて首相はなかなか決断できません。ようやく決断したのが11日の午後8時でしたが。そのあと8時半になんと「キッシンジャー元国務長官が官邸を訪れ、野田首相と会談した」そうです。
なんともう90歳になろうとする御大キッシンジャー氏まで動員されて、アメリカに向かってノーと言えるのでしょうか。私には言えません。
私はこのように日本の政策に露骨に口を出してくるアメリカのエスタブリッシュメントに不愉快な感情を抱いていますが、残念ながら現在の日本人に彼らを黙らせる力はありません。
その能力があるのはアメリカの有権者だけです。
リーマンショックのあとから、アメリカ人の有権者は徐々に現状に対して不満を持ってきています。それを表しているのがポピュリズム運動で、右は「ティー・パーティー」、左は「オキュパイ・ウォール・ストリート」が存在感を強めています。
ロバート・ライシュは、アメリカの不平等が是正されなければ、2020年の大統領選でこのポピュリズムが政権をとると予測しています。
もし彼らが政権を取れば必ずやることがあります。それはpurge(追放)と呼ばれるものです。
日本がアメリカに占領された時にも、政府高官の多数の追放が行われましたし、1950年代の「赤狩り」でも共産主義に関与しているとして多数の人々が犠牲になりました。
次にポピュリストが政権を取れば、それまでアメリカを支えていたエスタブリッシュメントが血祭りに上げられるでしょう。当然現在日本に圧力を加えている人も犠牲になります。
その時点で、ようやく日本はアメリカから「自由」になれるのです。
後8年の我慢です。