今回は、産經新聞中国特派員の矢板明夫さんが書いた『習近平 共産中国最弱の帝王』について数回にわけて論評したいと思います。

 最初にこの本に興味を引かれたのは、宮崎正弘氏がニューズ・レーターで好意的に紹介していたからでした。

 さらに、アマゾンで著者が中国残留孤児2世であると書いていることが購入の決定的理由になりました。これまで週刊誌などではさかんに残留孤児が日本の生活になじめずに暴走族などで暴れ回っているという話ばかりを読んでいましたので。著者は慶応大学を卒業し、中国で博士課程をとっているそうです。

 本を読んだ感想ですが、近年中国について書かれた本の中で最高の部類に入ると私は思います。

 さて、中国の次のリーダーになることが決まっている習近平についてです。

 彼が、最初に日本に対して印象に残る行動をとったのは、いわゆる「一ヶ月ルール」を無視して強引に天皇陛下と会見を行ったことでした。

 この理由について矢板さんは「習近平のライバルである李克強副首相を支持するグループが、宮内庁の1ヶ月ルールを利用して、習近平と天皇陛下の会見を阻止しようとしたこと。それが発端だったと中国の外務省筋が明らかにした。」と書かれています。

 やはり中国国内の権力闘争が原因だったそうです。

英語にPolitics should end at the water's edge.(政争は水際まで)という言葉がありますが、中国人がこの格言を守った試しがありません。

 その結果、不必要に他国に悪い印象をもたれてしまうのでしょう。

 (次に続く。)