荻原遼氏が書いた『北朝鮮 金王朝の真実』という本を読みました。
以前の荻原さんの本では、金日成が金正日によって謀殺されたこと、また300万人に及ぶ餓死者も金正日が自然災害を理由に反抗的な北朝鮮の東北部の人民を殺すために配給を停止したからだという大胆な仮説を提示しておられました。
今回の著書では、従来からの仮説を脱北者や海外の朝鮮研究者の証言と照らし合わせて、真実に迫ろうと努力なさっています。
以前の本を読んだ時には半信半疑だったのですが、今回この本を読んで納得しました。金正日は、ヒトラー、スターリン、毛沢東と並ぶ極悪人だったのです。
私は、以前から北朝鮮の核問題を追いかけてきて、不思議に思っていたことがあります。1994年の北とアメリカの最初の交渉から北朝鮮が軽水炉の原発を要求してきたことです。この軽水炉の問題が、交渉を複雑にして結果的に交渉そのものをダメにしてしまったのではないかと考えていたからです。日本もKEDOという組織を通じて北の軽水炉獲得について莫大な金銭を援助しましたが、ほとんど無駄になってしまいました。
この本の中で金日成は、最初から軽水炉の支援は考えていなかったそうです。「国の不足する電力問題を解決しようとすれば、火力発電所に力を入れなければならない」と金日成は語っています。しかし、金正日が強引に軽水炉を条件に盛り込んだとこの本には書かれています。
一般に軽水炉は、プルトニウムなどの核転用の物質をあまり出さないと言われていますが、この本ではアメリカの核専門家の発言を引用して次のように述べています。
「一般に無視されているが、軽水炉もまた兵器級プルトニウムとみなされている物質を多量に生産するのである。燃料棒投入後1年3ヶ月で通常の軽水炉は300キログラムのその種の物質を蓄積する。それは数十発原爆をつくるには十分な量である。」
悪魔の金正日は死んでしまいました。これから朝鮮半島は平和的に推移していくのでしょうか。著者の荻原さんは楽観的です。これからは北朝鮮も「改革開放」にいかざるをえないと考えておられるようです。
私は、その結論には懐疑的です。つい最近アメリカと北朝鮮の交渉が行われましたが、また北朝鮮は軽水炉の問題をアメリカに要求しているのです。私がなかなか楽観的になれない主な理由です。
以前の荻原さんの本では、金日成が金正日によって謀殺されたこと、また300万人に及ぶ餓死者も金正日が自然災害を理由に反抗的な北朝鮮の東北部の人民を殺すために配給を停止したからだという大胆な仮説を提示しておられました。
今回の著書では、従来からの仮説を脱北者や海外の朝鮮研究者の証言と照らし合わせて、真実に迫ろうと努力なさっています。
以前の本を読んだ時には半信半疑だったのですが、今回この本を読んで納得しました。金正日は、ヒトラー、スターリン、毛沢東と並ぶ極悪人だったのです。
私は、以前から北朝鮮の核問題を追いかけてきて、不思議に思っていたことがあります。1994年の北とアメリカの最初の交渉から北朝鮮が軽水炉の原発を要求してきたことです。この軽水炉の問題が、交渉を複雑にして結果的に交渉そのものをダメにしてしまったのではないかと考えていたからです。日本もKEDOという組織を通じて北の軽水炉獲得について莫大な金銭を援助しましたが、ほとんど無駄になってしまいました。
この本の中で金日成は、最初から軽水炉の支援は考えていなかったそうです。「国の不足する電力問題を解決しようとすれば、火力発電所に力を入れなければならない」と金日成は語っています。しかし、金正日が強引に軽水炉を条件に盛り込んだとこの本には書かれています。
一般に軽水炉は、プルトニウムなどの核転用の物質をあまり出さないと言われていますが、この本ではアメリカの核専門家の発言を引用して次のように述べています。
「一般に無視されているが、軽水炉もまた兵器級プルトニウムとみなされている物質を多量に生産するのである。燃料棒投入後1年3ヶ月で通常の軽水炉は300キログラムのその種の物質を蓄積する。それは数十発原爆をつくるには十分な量である。」
悪魔の金正日は死んでしまいました。これから朝鮮半島は平和的に推移していくのでしょうか。著者の荻原さんは楽観的です。これからは北朝鮮も「改革開放」にいかざるをえないと考えておられるようです。
私は、その結論には懐疑的です。つい最近アメリカと北朝鮮の交渉が行われましたが、また北朝鮮は軽水炉の問題をアメリカに要求しているのです。私がなかなか楽観的になれない主な理由です。