我々はせっかくの政権交代を経験したのに、その結果は悲惨なものでした。特に最初の首相だった鳩山由紀夫元首相にはかなりの責任があると私は思います。

しかし、彼の個人的な特質ばかりにその責任を求めるのは大きな間違いになると思いますので、少し注意を喚起したいと思います。

現在、私は中央公論からでた小村寿太郎の伝記を読んでいるのですが、その中で次のような話がありました。

小村寿太郎は明治の第一回奨学生に選ばれてハーバード大学に留学しますが、その時同時に選ばれたのが鳩山由紀夫の曽祖父である和夫でした。和夫は、コロンビア大学を卒業しイエール大学で博士号をとりました。

帰国後の和夫は弁護士となり、大隈重信の弟子となりますが、政治家としては大成せず、息子に期待します。それが鳩山一郎です。

和夫の期待したように一郎は総理になりましたが、前回書いたように無惨にアメリカからやめさせられました。

そして、由紀夫です。

彼は、鳩山家の優秀性を受け継ぎ、名門スタンフォード大学で博士号を取得します。この点は分野が違いますが、和夫と同じです。そして祖父の一郎と同じ総理になりました。

そして、これまた祖父の一郎と同じようにアメリカから総理の座をおわれることになったのです。一郎はソビエトとの問題で、由紀夫は基地問題をめぐってです。

つまり、私の言いたいことはこうです。明治からの4代つづく家系から、2人もアメリカで博士号をとり、そのうち二人が総理大臣になり、両方とも露骨にアメリカに潰されたわけです。

国家として、本当に日米は分かり合えるのでしょうか。

絶対、ルーピーだけのせいでは片付けることのできない問題です。