クリントン大統領時代に労働長官を務め、現在は大学教授であるロバート・ライシュが書いたアフターショックという本を読みました。

彼は、今回の不況を経済格差の拡大に求めているようです。

レーガン大統領時代から始まった規制の緩和や自由化路線は経済の格差を広げ、一般庶民は以前の生活水準を維持しようと家を担保に借金に走った結果が今日の状態を生んだと書いています。

以前の1929年から始まった大恐慌の時も格差が拡大した時代であり、今回の不況とあまり変わっていないとも書いています。

ルーズベルト大統領が始めたニューディール政策によって、アメリカの不平等は是正され、第2次大戦後には金持ちに対する税率が90%にも達し、経済格差の拡大を防ぎました。このような累進課税でもアメリカ経済は順調に成長したのです。

ライシュは現在も新たなニューディール政策が必要と考えているようで、炭素税の導入などを唱えています。(消費税は逆進性が強いから反対のようです)

私はライシュの議論に大部分賛成ですが、少し反論したいこともあります。

それは、アメリカ経済が平等であった時代を懐かしく思う代わりに、当時のインフレを過小評価している点です。

やはり、アメリカの70年代のインフレを治すには、経済の自由化や規制緩和は必要だったと思います。しかし、それがいきすぎると格差拡大を招き、中産階級の購買力の低下からデフレを招くようになったと思います。

インフレを止めようとした政策がいきすぎると今度はデフレになってしまう、そういうサイクルで経済は動くのでしょうか。1970年代がインフレの時代なら、2010年代は世界的なデフレ時代と定義できそうです。(先進国の場合)

日本にもライシュの議論が適用できます。このデフレから脱却するためには一般労働者の購買力をあげてあげることです。そうでなければ、いつまでたってもデフレから脱却出来ないでしょう。

このような時代に我が野田総理は消費税を上げることに全力を尽くしているみたいです。これでいいのでしょうか。