ジョージタウン大学のヴィクター・チャ教授がニューヨーク・タイムズに金正恩体制は長く持たないのではないかと懸念を示し、それに対してハーバード大学のワルト教授が反論しています。

こういう世襲の体制は、金正恩に正統性があり、一応のコンセンサスがあるので意外と長く続くのではないかという推測をワルト教授は書いています。

私は、ワルト説を指示しています。

以前にも書いたように、北朝鮮ともっとも似ている国は李氏朝鮮です。そして、最後の王となったのは高宗という人物で、なんと11歳で即位しています。

もちろん11歳の子供に直接の権力はありませんが、誰に直接の権力があろうとも彼はいつも中心にいて生き延びるのです。

日清戦争後には大韓帝国の初代皇帝にまでなっています。

しかし、最後には日露戦争後に日本によって退位させられてしまいました。

幾多の権力闘争を生き延びた高宗もその当時一番影響力のあった大国の前では無力だったのです。

ゆえに、金正恩の行方を左右するのは中国の出方次第です。

中国共産党がこれからも安泰ならば正恩氏も大丈夫でしょうが、その保証だけは全く無いのです。