少し遅くなりましたが、金正日がロシアに行った理由について考えてみたいと思います。
『産経新聞』には次のように書いてありました。
「北朝鮮は訪露を通じて、中国一辺倒の経済依存という内外の印象を払拭する一方、中国に対してもロシアとの接近を見せつけ、開発が滞っている中朝国境の黄金坪や威化島の経済特区への投資を引き出したい狙いがあるとみられる。」
じつはこのような外交は金正日の父親である金日成が得意としているところでありました。
金日成が中国とソ連の間を綱渡りするような外交を可能にしていたのが、米ソ冷戦と中ソ対立でした。このような外部環境があったために中ソは北朝鮮を取り合いし、北が漁夫の利を得ていたのでした。
ところが、現在は米ソ冷戦も中ソ対立も存在しません。
そんな時に、中国とロシアの間で北朝鮮の取り合いが起こるわけがありません。
だから『産経新聞』の分析は間違っていると私は思います。
一方、金正日が心から望んでいたのが、核兵器を持ったまま中国とアメリカをバランスさせる政策でした。金日成の中ソを天秤にかけていたよりも上手の政策です。
しかし、アメリカは北朝鮮の核を認めることはありませんでした。民主党系のジョセフ・ナイも北の核は絶対に認めないと公言しています。
アメリカの硬い態度によって金正日が核を持ったまま米中をバランスさせる政策は不可能になってしまったのです。
そこで仕方なく、父親の金日成の真似をして訪露したのでしょう。ところが、現代は米ソ冷戦や中ソ対立があった時代とは違いますので、彼の欲するものは得られないでしょう。
ロシアに行くことによって金正日の外交は破綻してしまったのです。
『産経新聞』には次のように書いてありました。
「北朝鮮は訪露を通じて、中国一辺倒の経済依存という内外の印象を払拭する一方、中国に対してもロシアとの接近を見せつけ、開発が滞っている中朝国境の黄金坪や威化島の経済特区への投資を引き出したい狙いがあるとみられる。」
じつはこのような外交は金正日の父親である金日成が得意としているところでありました。
金日成が中国とソ連の間を綱渡りするような外交を可能にしていたのが、米ソ冷戦と中ソ対立でした。このような外部環境があったために中ソは北朝鮮を取り合いし、北が漁夫の利を得ていたのでした。
ところが、現在は米ソ冷戦も中ソ対立も存在しません。
そんな時に、中国とロシアの間で北朝鮮の取り合いが起こるわけがありません。
だから『産経新聞』の分析は間違っていると私は思います。
一方、金正日が心から望んでいたのが、核兵器を持ったまま中国とアメリカをバランスさせる政策でした。金日成の中ソを天秤にかけていたよりも上手の政策です。
しかし、アメリカは北朝鮮の核を認めることはありませんでした。民主党系のジョセフ・ナイも北の核は絶対に認めないと公言しています。
アメリカの硬い態度によって金正日が核を持ったまま米中をバランスさせる政策は不可能になってしまったのです。
そこで仕方なく、父親の金日成の真似をして訪露したのでしょう。ところが、現代は米ソ冷戦や中ソ対立があった時代とは違いますので、彼の欲するものは得られないでしょう。
ロシアに行くことによって金正日の外交は破綻してしまったのです。