ローラ・タイソンというクリントン大統領時代に経済閣僚をつとめた人がフィナンシャル・タイムズにつぎのようなことを書いていました。

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借金による資産のバブルとそれにともなうバランス・シート不況はとても長く苦痛をともなうものである。経済の低成長と雇用の喪失は少なくとも10年は続く。現在のアメリカはそのようなコースを歩んでいるようだ。多くのアメリカ人にとって、21世紀の最初の10年は「失われた」ようなものだった。第2の「失われた10年」はすでに始まっている。
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リーマンショックが始まったとき、アメリカの雑誌でしばしば目にした表現は We are not Japanese.(我々は日本人ではない)というものでした。

日本人は無能だから10年以上の低成長を続けているが、優秀なアメリカ人が経済運営を行えばそのようにはならないという、アメリカ人の自信が根底にあったのでしょう。

ようやくアメリカ人も現実を理解し始めたようです。

では、アメリカは次にどのような行動にでるのでしょうか。三橋貴明さんは次のようにおっしゃっています。

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量的緩和第二弾は、先月、終了しました。二期目を狙うオバマ大統領派、何としても雇用環境を改善しなければなりません。(今さらですが、もちろんTPPもオバマ大統領の雇用改善戦略の一環です)
 以前のアメリカであれば、「よろしい ならば戦争だ」とかやっちゃうところですが、現在の引きこもり状態を見ると、それも難しいでしょう。
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本当にアメリカは「引きこもって」しまったのでしょうか。

私にはそう思えません。「よろしい、ならば戦争だ」の可能性の方が高いような気がします。