エジプトの問題が一段落したようなので少し書いてみようと思います。

 私はエジプトが全世界的に注目を浴びたのは中東戦争を除いてはスエズ危機以来のことだと思います。
この時は第2次世界大戦後の植民地解放の流れを受けてエジプトのナセル大統領がアラブのナショナリズムを煽動していました。

 ナセル大統領はスエズ運河の国有化を行います。これに焦ったのがイギリス、フランス、イスラエルで彼らは運河地域に出兵してナセルの計画を潰そうとしたのです。キッシンジャーの『外交』で最初に読んで私が直感したのは「満州事変」に似ているというものでした。

 英、仏、イスラエルの攻撃はあまりにも連携を欠き、彼らは何よりもアメリカの反応を間違えていました。この時の大統領はアイゼンハワーで、彼は烈火の如く怒ったのでした。イギリスなどはポンドを売り浴びせられ、みすぼらしく撤退していったのです。

 スエズ危機では、アイゼンハワー大統領はイスラエルの帝国主義的な行動を批判していましたが、あれから60年以上たった現在ではアメリカがイスラエルの側に立ち、英仏などがイスラエルのやりかたに反発をするなど立場が完全に逆になっています。

 今回のエジプトでデモが起きた時も、アメリカはどのように収集をつければよいのかが全くわかっていないようでした。

 エジプトの民主化がこれからうまくいく保証は全くありませんが、エジプトの指導者が国民の思いを無視して統治を行うことは難しくなるでしょう。エジプト市民はムバラク大統領よりもはるかにパレスチナの惨状に敏感ですから、これからエジプトが親米のままでいるとは思われません。

 今回の事件はアメリカのイスラエル支持一辺倒の政策が崩壊する序曲になると私は思います。