今朝「読売テレビ」に元NHK記者の手嶋龍一氏が民主党の長島議員に対してロシアの大統領が北方領土に上陸したのは民主党がアメリカと普天間問題で揉めたからだと文句を言っていました。

 本当に日米同盟が安定していたらロシアは今回のようなことをしなかったのでしょうか?

 元外交官の天木さんは自身のブログで次のように書いています。

 「戦争が終わってサンフランシスコ講和条約を結んだ時、米国はその講和条約で日本が放棄した千島列島の範囲をわざと曖昧にし、その範囲をめぐって日本とソ連(ロシア)を永遠に争わせようとしたのである。」

 アメリカが日本にしたことはこれだけではありません。鳩山一郎(ルーピーの祖父)と河野一郎(従軍慰安婦を証拠もないのに強制と認めた河野洋平の父)は歯舞と色丹の2島返還でソビエトと手をうとうとしました。ところがアメリカのダレス国務長官がこれに文句をつけて、4島返還にしなかったら沖縄を返さないと鳩山首相を恫喝したのです。ちなみに片岡鉄哉氏はダレスの介入の後で北方領土が4つの島をさすというコンセンサスが日本でできたと書いています。

 天木さんが言うようにアメリカはソビエトと日本が仲良くすることを避けたかったのです。そしてこの政策は現在も続いているのです。

 ではなぜアメリカは日本とロシアが仲良くすることを嫌がったのでしょうか?

 日露戦争の後、アメリカは満州に必死で入っていこうとします。ハリマンという人が満州鉄道に出資したいと思っていたのは有名な話ですが、我が小村寿太郎外相はこの計画を握りつぶしました。それでもアメリカはあきらめなかったので、とうとう日本は今まで戦っていたロシアと手を握ることに決めました。それが「日露協約」といわれるものです。これがあるためにアメリカは満州の利権をつかみ損ねました。

 おそらくこのような歴史的経緯があってダレス国務長官は日本とソ連が仲良くならないようにしたのでしょう。

 確かに手嶋龍一氏が言うように、日米の不和が今回のロシアの上陸を生んだ可能性は否定できませんが、アメリカと仲良くやればうまくいくという話でも絶対にないのです。