ポール・クルーグマン教授は中国の人民元を高くすることで、アメリカの貿易収支が改善できると思っているようです。一方モルガン・スタンレーのスティーブン・ローチはアメリカの貿易収支はアメリカの貯蓄不足によるものなので、人民元の問題はあまり関係がないと考えているようです。
じつはこのような議論は今回が初めてではありません。1980ー1990年におこった「ジャパン・バッシング」時代にも同じことが言われていたのです。
レーガン大統領は大減税と大軍拡を行う「レーガノミックス」というものを発動します。この結果アメリカでは財政の赤字と貿易収支の赤字、俗にいう「双子の赤字」が拡大しました。日本のアメリカに対する貿易の黒字もこの時期に急激に拡大しました。
そこでアメリカでは、現在の対中国と同様に日本のアメリカに対する貿易黒字の拡大は「弱い円」のせいだという議論がまきおこりそれが「プラザ合意」という円高に誘導する政策に結びつきました。
ところが、「プラザ合意」の後もアメリカの日本に対する貿易収支は劇的には改善しませんでした。すると今度アメリカでは、アメリカの輸出が伸びないのは日本の市場が「閉鎖的」だからだという議論が巻き起こります。この議論がブッシュ(父)大統領の「日米構造協議」に発展したのです。
クリントン大統領の時代になると、「数値目標」という政策が発動されました。これは日本の黒字を減らすために決められたアメリカのモノを買わなければいけない政策で、日本がその目標に達することができないとアメリカから「制裁」が発動されるというしろものでした。ここらへんになるとやくざとアメリカ政府の区別が難しくなります。
しかし、クリントン大統領の末期になると日本のバブル崩壊は誰の目にも明らかとなり、アメリカの「日本脅威論」も急激にしぼみ、対米黒字の問題もあまり議論されなくなりました。そのことでアメリカが日本に求めてきた「円高」や「構造協議」が本当に経済学的に正しかったのかも検証されずに来たのです。
ところでアメリカが貿易収支の赤字を日本の円安や日本市場の閉鎖性のせいにする議論を展開しているなかで、これに真っ向から反対していたのが名古屋大学教授の故飯田経夫教授でした。彼は『ヴォイス』などの雑誌で、アメリカの貿易収支が悪化したのはレーガン時代の減税でアメリカの消費が伸びただめだと今から思えばスティーブン・ローチと全く同じような議論を展開していました。
ところが飯田教授のアメリカに対する今から思えば「正しい」発言も、戦後日本の言論空間ではただの「反米主義者」に過ぎないと思われ、彼の言論は葬られてしまったのです。
私は現在も貿易収支の問題を根本的に治すには、スティーブン・ローチ=飯田経夫が指摘するようにアメリカの過大消費の方が遥かに問題があると思っています。この点では現在の中国共産党に同情的なのです。
じつはこのような議論は今回が初めてではありません。1980ー1990年におこった「ジャパン・バッシング」時代にも同じことが言われていたのです。
レーガン大統領は大減税と大軍拡を行う「レーガノミックス」というものを発動します。この結果アメリカでは財政の赤字と貿易収支の赤字、俗にいう「双子の赤字」が拡大しました。日本のアメリカに対する貿易の黒字もこの時期に急激に拡大しました。
そこでアメリカでは、現在の対中国と同様に日本のアメリカに対する貿易黒字の拡大は「弱い円」のせいだという議論がまきおこりそれが「プラザ合意」という円高に誘導する政策に結びつきました。
ところが、「プラザ合意」の後もアメリカの日本に対する貿易収支は劇的には改善しませんでした。すると今度アメリカでは、アメリカの輸出が伸びないのは日本の市場が「閉鎖的」だからだという議論が巻き起こります。この議論がブッシュ(父)大統領の「日米構造協議」に発展したのです。
クリントン大統領の時代になると、「数値目標」という政策が発動されました。これは日本の黒字を減らすために決められたアメリカのモノを買わなければいけない政策で、日本がその目標に達することができないとアメリカから「制裁」が発動されるというしろものでした。ここらへんになるとやくざとアメリカ政府の区別が難しくなります。
しかし、クリントン大統領の末期になると日本のバブル崩壊は誰の目にも明らかとなり、アメリカの「日本脅威論」も急激にしぼみ、対米黒字の問題もあまり議論されなくなりました。そのことでアメリカが日本に求めてきた「円高」や「構造協議」が本当に経済学的に正しかったのかも検証されずに来たのです。
ところでアメリカが貿易収支の赤字を日本の円安や日本市場の閉鎖性のせいにする議論を展開しているなかで、これに真っ向から反対していたのが名古屋大学教授の故飯田経夫教授でした。彼は『ヴォイス』などの雑誌で、アメリカの貿易収支が悪化したのはレーガン時代の減税でアメリカの消費が伸びただめだと今から思えばスティーブン・ローチと全く同じような議論を展開していました。
ところが飯田教授のアメリカに対する今から思えば「正しい」発言も、戦後日本の言論空間ではただの「反米主義者」に過ぎないと思われ、彼の言論は葬られてしまったのです。
私は現在も貿易収支の問題を根本的に治すには、スティーブン・ローチ=飯田経夫が指摘するようにアメリカの過大消費の方が遥かに問題があると思っています。この点では現在の中国共産党に同情的なのです。
