今週の『週刊文春』で評論家の立花隆氏が松藤民輔さんの『2011年ユーロ大炎上』を褒めていたので、興味がわいて読んでみました。
このような投資・経済の本は内容の差が激しく、値段のわりに報われないというのが筆者の正直な感想だったのですが、松藤さんの本はとてもおもしろく読めました。
アメリカ発の不況が長引くこと、中国の破綻、日本の復活など内容は多岐にわたりますが、圧倒的なリアリティーを持って描かれているのはイギリスが破綻するのではないかというものです。
英国のキャメロン首相は、付加価値税(消費税)を2.5%引き上げを公約し、緊縮財政へと大きく舵を切りました。
私などはこのような不況期に増税などをして大丈夫なのだろうかと思っていました。なにせ橋本政権の経験があるものですから。
ところがイギリスの場合はこのような政策をとらなければならないような、やむにやまれぬ事情があるようです。松藤さんは次のように書いています。
「イギリスの官民部門が海外債券者から借りているマネーがいくらあるか?なんとGDPの3.4倍という膨大な額である。イギリスの対外債務の長短比率はGDP比240%が短期債務、102%が長期債務なのです。」
すなわち、「短期で低金利マネーで借り、長期で高利運用をする」というキャリー・トレードという構造になっているのです。
ちなみに日本の対外債務はGDPの43.3%しかないそうです。
こんなに債務があれば、キャメロン首相の改革など焼け石に水なのではないかと思ってしまいました。
さて、もし松藤さんの「イギリスが破綻する」が現実になれば、その原因を何に求めればよいのでしょうか?
もちろんサッチャー首相の改革です。これのおかげでイギリスの経済は金融部門を中心に急成長したのです。結局、松藤さんの主張「イギリス破綻」の意味は今回の不況の原因がレーガン・サッチャーの「自由化」路線が行き過ぎたことを証明するものなのです。(アメリカの場合はドルが基軸通貨ですから、イギリスのようにはならないようです。)
このような投資・経済の本は内容の差が激しく、値段のわりに報われないというのが筆者の正直な感想だったのですが、松藤さんの本はとてもおもしろく読めました。
アメリカ発の不況が長引くこと、中国の破綻、日本の復活など内容は多岐にわたりますが、圧倒的なリアリティーを持って描かれているのはイギリスが破綻するのではないかというものです。
英国のキャメロン首相は、付加価値税(消費税)を2.5%引き上げを公約し、緊縮財政へと大きく舵を切りました。
私などはこのような不況期に増税などをして大丈夫なのだろうかと思っていました。なにせ橋本政権の経験があるものですから。
ところがイギリスの場合はこのような政策をとらなければならないような、やむにやまれぬ事情があるようです。松藤さんは次のように書いています。
「イギリスの官民部門が海外債券者から借りているマネーがいくらあるか?なんとGDPの3.4倍という膨大な額である。イギリスの対外債務の長短比率はGDP比240%が短期債務、102%が長期債務なのです。」
すなわち、「短期で低金利マネーで借り、長期で高利運用をする」というキャリー・トレードという構造になっているのです。
ちなみに日本の対外債務はGDPの43.3%しかないそうです。
こんなに債務があれば、キャメロン首相の改革など焼け石に水なのではないかと思ってしまいました。
さて、もし松藤さんの「イギリスが破綻する」が現実になれば、その原因を何に求めればよいのでしょうか?
もちろんサッチャー首相の改革です。これのおかげでイギリスの経済は金融部門を中心に急成長したのです。結局、松藤さんの主張「イギリス破綻」の意味は今回の不況の原因がレーガン・サッチャーの「自由化」路線が行き過ぎたことを証明するものなのです。(アメリカの場合はドルが基軸通貨ですから、イギリスのようにはならないようです。)