アメリカとイスラエル

　少し時間があきましたが、結論部分だけ書いておきます。

　『イスラエル・ロビー』という本で著者達はユダヤ系のロビー団体やキリスト教右派がイスラエルを無条件に支持することでアメリカの国益を歪めていると指摘しています。

　そして、じつはこのようなロビー団体や宗教的な理由でアメリカの外交が歪められたのはイスラエルがはじめてではなく、戦前の国民党の中国に対しても同じように一部のアメリカ人たちは好意を抱いたのでした。

　しかしながら、アメリカの中国に対する理想主義は次のように変化して最後にはマッカーシズムにまでいってしまったのでした。


　１、中国を非現実的に考えるアメリカの「理想主義」

　２、いずれいやおうなく中国の「現実」を知るときがやってきます。

　３、その結果「理想」は「失望」へ変化。

　４、支えきれなく中国国民党を「切り捨て」

　５、最後にアメリカ国内での全体主義的な「犯人探し」


　では、これからアメリカとイスラエルの関係はどうなるのでしょうか。

　私は基本的に中国・国民党に対するものと同じようになるのではないかと思っています。

　イラク戦争は『イスラエル・ロビー』によればイスラエルが望んで、アメリカのネオコンが指導した戦争だったのですが、残念ながら結果は望ましいものではありませんでした。

　それでも、このような失敗にもかかわらず、イスラエル・ロビーの影響力は少しも衰えていないそうです。

　結果として、イスラエル・ロビーやキリスト教右派がイスラエルを支持することはアメリカの国益に結びつかないと自分たちが認識するまではイスラエルを支持するのでしょう。ちょうど国民党の中国が共産党との内戦に負けそうになってアメリカの中国に対する理想主義が醒めたように。

　そして現在のイスラエルは核開発を行っているといわれているイランを最も脅威と認識しているのです。

　ということで、戦前の中国をモデルに考えれば、アメリカ、イスラエルとイランの戦争があるのではないかと私には思えるのです。