アメリカのカトー研究所のダグ・バンドーという人が沖縄の基地問題について書いていましたので、重要部分を訳してみました。
カトー研究所は政治思想としては「リバターリアン」という徹底的に「個人の自由」を守ろうという思想にあたります。また、外交的にはアメリカの過剰な介入には批判的でバランス・オブ・パワーに徹した外交を行えと主張しています。
もちろん現代のアメリカでは少数派ですが、私は以前から彼らの考え方に興味を持っていました。彼らのような主張は決して『朝日新聞』に掲載されることはありませんが、『産經新聞』にも載らないのです。ということで、日本ではあまり知られていない可能性があります。
「しかし主要な問題はやはり日本である。東京がアメリカに軍事的保護を求める限り、ワシントンの基地要求を簡単に断ることはできないだろう。だから沖縄の住民は公平性を要求する以上のことを行わなければならない。沖縄の住民は防衛の独立を主張しなければならないのである。
では誰が日本を守るべきなのだろうか?もちろん日本である。東京の近隣諸国は程度の差こそあれ、日本の再軍備に不安になるだろうが、第2次世界大戦は終わったのだ。大日本帝国が復活する可能性はモンゴル帝国が復活する可能性と同じぐらいであろう。日本とインドは地域の安定を維持するためにもっと努力しなければならないのだ。
多数の日本人は大きな日本軍と拡大した外交政策に反対している。彼らの反対は、第2次世界大戦の被害を考えれば理解できるものである。しかし、どのような国家でも最も基本的な義務は国家の防衛である。もし日本の国民が最低限かもしくは軍隊のない国家を選ぶならそれは彼らの権利である。しかしそうならば日本人は他国にその防衛を埋めてもらうことを考えてはならないのである。」
バンドーのこのような議論はまさに「正論」でしょう。ここでなぜ鳩山首相がアメリカに対して腰砕けになったのかを考えてみます。首相が沖縄の負担を軽くするというのは理解できますが、彼は沖縄の基地を減らす代わりに、日本がもっと自己の防衛に努力するとはっきりとてアメリカには言えなかったのです。
それはなぜなら、昨日首相の弟である邦夫氏が「兄は一貫して駐留無き安保」を思考しているとフジテレビで語ってたからです。日本から米軍の基地を無くしてもアメリカが日本を守るということはバンドーが言うように正気の沙汰ではないのです。
バンドーは結論として次のように書いています。
「日本との同盟を再考する出発点としてワシントンは普天間基地を閉鎖したほうがよいだろう。アメリカが日本を守るというような単独的な約束ではなく、日米関係は共通の目的のためにいっしょに働く対等の関係にならなくてはいけないのだ。日本を守る責任は日本にあるべきなのだ」
このような真摯な議論が左右を問わず日本のマスコミに登場しないことは本当に残念なことです。しかし私はいずれアメリカの外交がバンドーの主張するような「勢力均衡」的なものになると確信しています。
よろしくお願いします

カトー研究所は政治思想としては「リバターリアン」という徹底的に「個人の自由」を守ろうという思想にあたります。また、外交的にはアメリカの過剰な介入には批判的でバランス・オブ・パワーに徹した外交を行えと主張しています。
もちろん現代のアメリカでは少数派ですが、私は以前から彼らの考え方に興味を持っていました。彼らのような主張は決して『朝日新聞』に掲載されることはありませんが、『産經新聞』にも載らないのです。ということで、日本ではあまり知られていない可能性があります。
「しかし主要な問題はやはり日本である。東京がアメリカに軍事的保護を求める限り、ワシントンの基地要求を簡単に断ることはできないだろう。だから沖縄の住民は公平性を要求する以上のことを行わなければならない。沖縄の住民は防衛の独立を主張しなければならないのである。
では誰が日本を守るべきなのだろうか?もちろん日本である。東京の近隣諸国は程度の差こそあれ、日本の再軍備に不安になるだろうが、第2次世界大戦は終わったのだ。大日本帝国が復活する可能性はモンゴル帝国が復活する可能性と同じぐらいであろう。日本とインドは地域の安定を維持するためにもっと努力しなければならないのだ。
多数の日本人は大きな日本軍と拡大した外交政策に反対している。彼らの反対は、第2次世界大戦の被害を考えれば理解できるものである。しかし、どのような国家でも最も基本的な義務は国家の防衛である。もし日本の国民が最低限かもしくは軍隊のない国家を選ぶならそれは彼らの権利である。しかしそうならば日本人は他国にその防衛を埋めてもらうことを考えてはならないのである。」
バンドーのこのような議論はまさに「正論」でしょう。ここでなぜ鳩山首相がアメリカに対して腰砕けになったのかを考えてみます。首相が沖縄の負担を軽くするというのは理解できますが、彼は沖縄の基地を減らす代わりに、日本がもっと自己の防衛に努力するとはっきりとてアメリカには言えなかったのです。
それはなぜなら、昨日首相の弟である邦夫氏が「兄は一貫して駐留無き安保」を思考しているとフジテレビで語ってたからです。日本から米軍の基地を無くしてもアメリカが日本を守るということはバンドーが言うように正気の沙汰ではないのです。
バンドーは結論として次のように書いています。
「日本との同盟を再考する出発点としてワシントンは普天間基地を閉鎖したほうがよいだろう。アメリカが日本を守るというような単独的な約束ではなく、日米関係は共通の目的のためにいっしょに働く対等の関係にならなくてはいけないのだ。日本を守る責任は日本にあるべきなのだ」
このような真摯な議論が左右を問わず日本のマスコミに登場しないことは本当に残念なことです。しかし私はいずれアメリカの外交がバンドーの主張するような「勢力均衡」的なものになると確信しています。
よろしくお願いします
