これまで行われてきた民主党の外交(普天間問題先延ばし、インド洋給油中止、アジア共同体の提唱)については賛否両論あると思います。ただ一つ言えることは、これまでの自民党政権と比べてもやり方が全く違うということです。

 民主党が自民党とは異質な外交を展開したことで、アメリカにおいても日本についてこれまでとは違う見解がでてきています。『朝鮮日報』から引用してみます。

 「昨年末にワシントンでは、日米同盟の将来のためにも、この機会に日本の動向を修正させるべき、という強硬論が力を得た。かつてホワイトハウスでアジア局長を務めたジョージタウン大学のビクター・チャ教授は、鳩山内閣を韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権に例え、「明確な政略や代案もないまま日米同盟を揺るがせてしまうと、日本の安保だけでなく、経済にまで不幸な結果をもたらすだろう」と警告した。これに対し知日派たちは、「基地の移転問題だけで日米同盟を失うわけにはいかない」と反論した。オバマ大統領が掲げる「ソフトパワー」の理論的根拠を提供したハーバード大学のジョセフ・ナイ教授らが、その代表的な論客だ。」

 これまで日本では、アメリカの共和党こそが日本の「友人」であって民主党は日本に対していつも批判的だ、という見解が通っていました。田久保忠衛教授なども共和党は strong Japan を志向し、民主党は weak Japan を志向していると語っていたのです。私の尊敬する故・片岡鉄哉氏も民主党よりは共和党を支持しておられました。

 ところが今回の場合、アーミテージやマイケル・グリーンなどの共和党系の戦略家たちが「社民党をとるかアメリカをとるか」などと鳩山政権に恫喝を繰り返していました。そして『朝鮮日報』が書いているように、ジョセフ・ナイという民主党系の学者がアーミテージなどを諌めているのです。このような展開はこれまでの日米関係でありえませんでした。

 田久保教授がいわれるようにアメリカの共和党は strong Japan を志向しているのかもしれません。しかし、あくまでも日本がアメリカのいうことに素直に従うという前提があったのです。したがって鳩山政権のようにアメリカとの合意を見直すといったとたん、彼らは恫喝に転じたのでした。

 ではなぜ共和党系と民主党系の戦略家たちの立場が逆転したのでしょうか。

 実は以前から日本ではアメリカにおいて民主党の方が好戦的で共和党の方が戦争をあまりやりたがらないとも言われてきたのです。ところがこの命題の真偽もあやしくなってきています。オバマ大統領のアフガン増派でも民主党が否定的で、共和党の方がはるかに熱心だったからです。現在のアメリカでは共和党の方が好戦的で民主党の方が戦争に否定的なのです。

 おそらくこのことが日米同盟にも反映しているのでしょう。ただ私には戦争に関して民主・共和の逆転現象が将来のアメリカ外交にどのような意味を持っているのかは現時点ではわかりません。
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