NHKの『坂の上の雲』は日英同盟を結ぶ直前で終わってしまい、来年まで待たされるはめになってしまいました。結局、ロシアに対する脅威を日・英ともに共有したために同盟の締結までいったわけです。

 一方、日米安保は朝鮮戦争中に結ばれましたが、中国の脅威というよりもやはりソビエトの脅威を日米共に共有した結果、あれほど激しい戦争をしていたにもかかわらず、同盟締結まで至ったのでした。

 日露戦争で日本は辛くも勝利しますが、この日本の勝利によってロシアの脅威を理由にしていた日英同盟の意義が薄れることになりました。そこでイギリスの主導で日英同盟を改訂することになり今度は「仮想敵」がドイツになりました。しかしながら、当時のドイツがいかほどの脅威を日本に与えていたかは筆者にはわかりません。

 ソ連が崩壊してしまったこともあり、日米同盟の意義も薄れることとなりました。ちょうどこの時に誕生した細川政権はアサヒビールの樋口会長にこれからの日本の安全保障をどうすべきなのかを諮問しました。この結果生まれた「樋口リポート」では日米同盟よりも国連が重視されていました。

 「樋口リポート」を見たアメリカは驚愕します。そこからアメリカ主導の日米協議が行われ(著名な国際政治学者のジョセフ・ナイ氏が中心に運動を行ったためナイ・イニシアティブと呼ばれています)ました。

 ちょうどこのとき、中国が台湾海峡にミサイルを発射して台湾の選挙に干渉するという事件が起こりました。これが契機となり新日米同盟では中国が共通の脅威として浮上するのでした。もちろん日米共に中国に配慮していますので大きな声で語られることはありませんが。

 さてドイツを仮想敵とした日英同盟ですが、第1次世界大戦で本当の敵となります。日本は陸軍こそ派遣しなかったものの、海軍を派遣します。

 ドイツが第1次対戦で破れたことによって、ドイツを仮想敵としていた日英同盟はまたもやその意義を低下させることになりました。

 アメリカは以前から日英同盟が存続することに反対していたので、イギリスはアメリカの意見を重要視して、ワシントン会議で日英同盟が破棄されることとなりました。

 さて、現在の日米同盟がソ連の脅威から中国の脅威を目的としていることは書きましたが、本当に日米共に中国を共通の敵と思っているのでしょうか?アメリカは中国に大量の国債を買ってもらうために、低姿勢で中国に接しています。あれほど主張していた「人権」問題もオバマ政権は棚上げしてしまいました。

 一方日本においても鳩山首相の「友愛」外交はアジア共同体を夢想しており、中国を脅威としてみていません。筆者は以前から日米同盟は中国で共産党の支配が無くなまでは有効であると思っていましたが、日米の中国に対する態度を見ていますと共産党支配が終わる前に日米同盟が終わってしまうという懸念を拭いきれません。
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