Japanese are poor propagandists.

 上記の言葉は『中国の戦争宣伝の内幕』に2度も出てくると翻訳をした田中さんは書かれています。

 一方、中国に対してウィリアムズは「蒋介石の宣伝係はプリンターインクで戦っている」と書いていますし、戦前には日本でも「支那軍は鉄砲をうたずに電報を打つ」という表現があったそうです。

 今回のテーマは果たして日本人の宣伝下手は治っているのだろうかというものです。

 前回のブログにも書いたように、結局アメリカがアジアにおける共産主義の脅威を認識したのは共産中国の登場と朝鮮戦争でした。この出来事によりアメリカは日本の現実に目覚めたわけです。

 実は同じようなことは現在も起こっています。それは「デフレ経済」に対する認識です。

 日本はバブル経済の崩壊後やっかいなデフレに遭遇して、現在もそこから抜け出せていません。

 このような日本に対してアメリカの識者は日本をばかにした態度をとってきました。

 バーナンキ連銀総裁は大学教授時代に日銀の政策はpoorでstupidと述べたそうです。

 もっとすごいのはクリントン大統領時代のサマーズ財務長官でした。彼は故宮沢喜一氏に関して「自分がパンツを下ろせといえば下ろすだろう」などとジョークを言ったのでした。

 で、リーマンショックでアメリカのバブルもはじけてしまいました。日本をバカにしていたバーナンキやサマーズも現在のアメリカの経済政策の中心にいます。そこで彼らはどのような政策をとるのだろうかと興味深く拝見していました。

 すると彼らは、銀行に資本を注入したり、中央銀行の金利をゼロにしたり、また財政をおもいっきり拡大させました。

 これって日本がバブル崩壊後にとった政策とほとんど同じではないですか。あれだけ日本をバカにしていたのは何だったのだろうと私は個人的に憤慨しています。ジョージ・ケナンが朝鮮戦争中に書いた文章を私は彼らに贈りたい。

 「他国がそれを引き受けていた時には、我々がおおいに軽蔑した重荷を今自ら負うはめになり苦しんでいるのは、たしかに意地の悪い天の配剤である」

 結局、リーマンショック以降アメリカがとった経済政策はほとんど日本のバブル崩壊後の政策と同じだったため日本の政策は「間違いではなかった」ことが確認できました。

 ここからが問題です。バブル崩壊以降の日本の経済政策が正しかったのなら、その有効性を世界に対して訴える日本人のエコノミストが一人ぐらいいてもおかしくはないでしょう。

 ところがこの問題を一人で引き受けているのは野村総合研究所のリチャード・クーさんです。

 彼は、日本政府がバブル崩壊後、正しい処方箋を書いていたのだと欧米諸国相手に「宣伝」をしてくれているわけです。

 そしてクーさんはもちろん中国系なのです。

 結局、Japanese are poor propagandists は全然治癒していないのでした。
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