マサチューセッツ工科大学在籍中の日本研究者トバイアス・ハリスが自分のブログで鳩山首相の外交について書いています。

 「鳩山首相は日米の政策の違いをオバマ大統領との個人的信頼関係を深める事によって解決しようとしている」と彼は観察しています。

 私も彼のこの意見には全面的に賛成します。

 そして、彼はそのような外交手法を「小泉ーブッシュ」関係からヒントを得たのだと書いています。

 私はそう思いません。鳩山首相は祖父一郎の失敗からオバマ大統領と個人的な関係を深めようとしていると、私は考えています。

 鳩山一郎は米ソ冷戦中に日ソ国交回復を外交目標に掲げました。孫の由起夫が「アジア共同体」を掲げているのによく似ています。

 さらに鳩山由紀夫首相は基地問題の見直しを外交目標に挙げましたが、祖父一郎も同じような事をしています。片岡鉄哉著『さらば吉田茂』には次のように書かれています。

 「実は鳩山は、選挙の公約として、防衛分担金を削減して住宅建設にあてることを提案していた」

 結局、鳩山一郎は日ソ国交回復の途中でアメリカの介入によって辞任せざるをえなくなりました。この経緯を調べた片岡先生は「鳩山(一郎)は選挙管理内閣に就任早々アイゼンハワーとダレスに直接会って、腹を割って話すべき筋であった。選挙戦の公約として、日ソ講和と防衛予算削減をする以上、そうするのが賢明であった。」と書いています。

 鳩山首相が片岡先生の本を読んだのかどうかはわかりませんが、この本の仮説どおりに鳩山首相が動いているように筆者には感じられます。

 ところが、鳩山外交はアメリカに全く通用していないようです。片岡先生が亡くなって今年で3回忌を迎えますが、先生はどう思っているのでしょうか。
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